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珪藻土には、生のものと、焼成したものがあります。
そして、焼成したものは、フワフワと軽いものです。
珪藻土の量が沢山入っていると、調湿性能が良いような印象があると思いますが、
単純に、珪藻土の量が多ければ、調湿性能が高くて、珪藻土の量が少なかったら、調湿性能が悪いというものでもないのです。
では、珪藻土の量と、調湿性能の関係を解説してみたいと思います。
珪藻土は、植物性プランクトンの化石です。
太古の昔、湖底や海底に堆積した植物性プランクトンが、柿木となり、地上に隆起したものです。
地層に含まれている全成分が、珪藻(けいそう)ではないので、不純物を大量に含んでいます。
世の中に普及している珪藻土塗り壁の中には、地中から掘り起こしたままの「生」の珪藻土もあれば、
焼成して不純物を取り除いたものもある訳です。
そして、焼成して不純物を取り除いた珪藻土は、フワフワと軽いものになります。
また、珪藻土に類似したもので、珪藻頁岩というものがあります。
こちらは、珪藻土が地中の高温高圧によって、「岩」にも変化したものなので、
珪藻土より、うんと重いものになります。
つまり、珪藻土塗り壁の珪藻土含有率が、何パーセントだと言われても、
使われている珪藻土が、生の重たい珪藻土なのか、焼成した軽い珪藻土なのかによって、
実際の含有量が変わってくるのです。
つまり、重さで含有量を表現するよりも、体積(カサ)で表現したほうが、
より正確な実際の含有量がイメージできると言えるのです。
また、珪藻土の含有量がいくら多くても、壁に塗ったあとの珪藻土が、調湿性能を発揮してくれないと、
意味がありません。
つまり、珪藻土の含有率が何パーセントだから、すごいでしょと言われても、
実際の調湿性能がよくないと、意味がない訳です。
珪藻土塗り壁などの調湿性能は、JIS規格に評価方法が規定されています。
JIS A69029という評価方法ですが、その客観的な評価方法に基づき、調湿性能の良し悪しを表現すべきだと思う訳です。
珪藻土以外でも調湿する建材は、あります。
また、吸湿はするけど、放湿はしないという素材もあります。
調湿とは、吸湿と放湿の両方の意味なので、湿気が多い時は、湿気を吸い取ってくれ、
乾燥してきたら、湿気を吐き出してくれるという意味です。
珪藻土は、吸湿と、放湿の両方の性能に優れているので、調湿性能が高いのです。
試験方法は、試験体を最初乾燥させ、湿気の多いブースに移動させ、24時間放置します。
そして、湿気を吸って、重くなった重量を計ります。
その後、今度は、乾燥したブースに移動させ、24時間放置し、湿気を吐き出して、
軽くなるのを待ちます。
そして、重くなった時の重量と、軽くなった時の重量を比較し、その差の重量が、試験体が吸放湿した水分の量という計算をするのです。
その結果、最低70g以上の吸放湿量がないと、調湿建材とは、呼べない訳です。
珪藻土の調湿性能を決定する要素は、どんな珪藻土を使っているのか、量はどの程度入っているのかといったことも重要ではあります。
つまり、焼成した珪藻土のほうが、調湿性能は高いからです。
しかし、もっと大切なのが、調湿性能のもととなる、珪藻土の穴を潰さないような固め方をしてあるかどうかといったことが、とても重要になる訳です。
珪藻土は、粘土やセメントと違って、水を加えて練っても、固まってくれません。
そこで、漆喰や糊や接着剤を加える訳です。
しかし、接着させるための成分を入れることで、せっかくの珪藻土の穴が潰れてしまいます。
重要なのは、珪藻土の穴を潰さないで、珪藻土を固めることなのです。
珪藻土の量が多ければ、調湿性能がいい訳ではありません。
どんな珪藻土を使っているのか、また固め方は、
どのようにしているのか、それを確認した方がいい訳ですが、
もっとも重要なことは、実際の調湿性能がどの程度あるのか?
それを客観的なデータで確認すべきだということなのです。
珪藻土は、不純物を取り除いた焼成した珪藻土のほうが、調湿性能は、いいということ。
また、含有量は、従量ではなく、カサ(重量)で考えた方がいいということ。
そして、調湿性能の良し悪しは、JIS規格などの調湿試験データを確認すべきだということです。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁はいから小町は、調湿性能241g/m²/24hです。
これは、JIS規格(JIS A6909)で測定した結果なので、吸湿もするし、放湿もする
調湿性能に優れた珪藻土塗り壁だということなのです。
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