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珪藻土が調湿性能に優れている理由は、目に見えない小さな穴(細孔)が無数に空いているからであり、その穴と、水蒸気の粒の相性がいいからなのです。
ミクロポア、メソポア、マクロポアといった種類があります。
この穴の大きさと、水蒸気の相性とは、いったいどのようなことなのでしょうか?
解説してみたいと思います。
ポアとは、珪藻土の穴のことです。
細孔(さいこう)と言いますが、珪藻土の原料である珪藻(植物性プランクトン)は、
多孔質という特性を持った藻(も)です。
骨格に無数の目に見えない穴を持っています。
その表面積を計算すると、わずか1gの珪藻土が、テニスコート半分(250m²)にも及ぶと言われています。
ミクロポアとは、目に見えない穴の大きさが、直径2nm(nm=ナノメーター:100万分の1mm)以下のものを言います。
メソポアとは、目に見えない穴の大きさが、直径2~50(nm=ナノメーター:100万分の1mm)程度のものを言います。
そして、マクロポアとは、目に見えない穴の大きさが、直径50nm(nm=ナノメーター:100万分の1mm)以上と言われています。
珪藻土に調湿性能があると言われるのは、珪藻土の穴の大きさと、水蒸気との相性がいいからです。
といっても、無数の大きな穴の中に無数の小さな穴があり、その無数の小さな穴の中に、さらに無数の小さな穴が空いていますので、
メソポアと呼ばれる大きさの穴だけが均一に空いた珪藻土というのは、ない訳です。
珪藻土の調湿性能を測定しようと思うと、塗り壁材として出来上がった製品を壁に塗った状態で、
どの程度の調湿性能を発揮できるかの勝負になります。
珪藻頁岩は、珪藻土が地中の高温高圧で押しつぶされ、岩の状態まで圧縮されたものです。
もともとは、珪藻土と同じく、海底や湖底に堆積した珪藻(水中の藻のこと)が、化石になったものです。
しかし、珪藻土と、全く違う点は、珪藻頁岩は、地中の奥深くで、高温、高圧にさらされ、
岩に変化しているということです。
珪藻(けいそう)の骨格に含まれている無数の小さな穴は、地中の高温高圧によって押しつぶされ、
より狭く、小さなものへと変化しています。
そして、珪藻頁岩よりも、更に小さな穴(細孔)を持つ鉱物がゼオライトです。
穴が小さすぎるため、調湿性に関しては、珪藻土や珪藻頁岩よりも劣りますが、
悪臭や、化学物質の吸着には、より効果を発揮します。
穴の大きさによって、吸着できる化学物質が違うのです。
珪藻土には、高い調湿性能がありますが、消臭性能に関しては、珪藻頁岩のほうが、高いと思います。
そして、化学物質の吸着に関しては、ゼオライトのほうがより性能が高いと思います。
空気清浄器の消臭マットなどは、このゼオライトが使われています。
珪藻土が「調湿」する場合は、珪藻土の無数の小さな穴に、水蒸気の粒が、
一時的にくっついていると考えられています。
なので、室内の湿度が高くなると、余分な水蒸気が、珪藻土の壁にくっつくことで、
室内を快適にしてくれます。
そして、室内が乾燥してくると、今度は、珪藻土が蓄えた水蒸気を吐き出し、室内を潤わせてくれる訳です。
水蒸気の吸着、つまり珪藻土が調湿性能の高い素材だと言われるのは、水蒸気の粒と、ちょうど相性がいい大きさの穴(細孔)を無数に持っているからなのです。
ムッとする湿気を調湿することと、水を吸水することは、意味が違います。
よく珪藻土の調湿性能の高さを示すデモをやる際に、霧吹きで、水を珪藻頁岩に吹きかけるシーンがありますが、
あっという間に、水滴が消え去る様を見て、調湿性がすごいと誤解しますが、
あれは、調湿ではなく、吸水です。
珪藻土の調湿性能の高さを示す目安にはなりません。
臭いにも、水に溶ける臭いと、溶けない臭いがあって、ホルムアルデヒドは、水に溶ける臭いです。
そして、珪藻土は、調湿性能に優れているため、水に溶ける有害物質の代表格である
ホルムアルデヒドを吸着、消臭する力は、強いのです。
ただし、シンナーなどの油系の臭いは得意ではなく、有機溶剤などの吸着、消臭は苦手です。
この溶剤系の臭いに効果を発揮するのは、最も小さな穴を持つ、ゼオライトなのです。
もし、消臭効果を期待して塗り壁を選ぶのであれば、ゼオライトが配合された塗り壁材を選ばれると、いいと思います。
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