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珪藻土塗り壁の原料となる珪藻土は、昔からあったものです。
産地は全国各地にあり、それほど珍しい素材ではありませんでした。
しかし、塗り壁材の原料として使われるようになったのは、まだ20年~30年程度の話です。
各社が色々な製品を出していますので、珪藻土の産地や種類によって違いがあるのかどうか?
解説したいと思います。
珪藻土というと、一昔前までは、断熱性があることから、七輪に使われたり、
濾過材としてビールや醤油などの食品加工に使われる程度の素材でした。
粘土と違って、水を加えて練っても、壁に塗れなかったからです。
ところが、珪藻土に調湿性能があることが分かり、気密化が進んだ現代住宅の室内環境を快適にしてくれるのではないかと、「塗り壁材」への利用が模索されたのです。
漆喰に珪藻土を加えてみたり、接着剤や糊を加えてみたりと、各社が様々な工夫をして、塗り壁材と壁に塗れる製品が開発されてきました。
珪藻土とは、植物性プランクトンの化石が地層になったもので、まさしく「土」です。
海底や湖底に、植物性プランクトンの化石が、堆積し、その後、地上に隆起したものです。
土なので、柔らかいものです。
そして珪藻頁岩とは、珪藻土が地中の熱で、「岩」に変化したものです。
従って、硬いものです。
珪藻土は、粉状で流通していますが、珪藻頁岩は、固形で流通していますので、
見た目でも、明らかに違いがあります。
そして、珪藻土と、珪藻頁岩は、比重も違いますし、珪藻特有の穴(細孔)の大きさも違います。
珪藻頁岩の細孔は、珪藻土よりも小さいとされています。
それは、珪藻土は、柔らかい土の状態ですから、珪藻の骨格が残ったまま、化石になっているからです。
しかし、珪藻頁岩は、地中の高温高圧により、圧縮され、隙間がつぶれています。
珪藻頁岩も、珪藻土同様に調湿性がありますが、水蒸気との相性は、珪藻土の方がよいため、
調湿性能は、珪藻頁岩よりも、珪藻土の方が優れています。
ただ、消臭性能に関しては、珪藻頁岩のほうが、性能が良いとされています。
したがって、調湿を期待して塗り壁にするのなら、珪藻土を使った塗り壁のほうが、性能が良いということになります。
ただ、珪藻土には、地中から掘り起こしたままの「未焼成」の珪藻土と、不純物を取り除いた「焼成珪藻土」とがあります。
珪藻土には、調湿性能もありますが、塗り壁の原料として使われる量は、ほんのわずかです。
ほとんどの用途は、ビールや醤油といった食品を加工する際の濾過材として使われています。
細かな細孔があるため、濾過材としては、最高の素材なのです。
ただし、地中から掘り起こしたままの珪藻土では、目詰まりしており、また衛生面からも、
食品の加工には使用できません。
そこで、1,000℃という高温で焼成しているのです。
未焼成の珪藻土でも、ある程度の調湿性能は発揮しますが、地中から掘り起こしたままの「生」の珪藻土は、
不純物を含むため、壁に塗った際、アクが発生したり、施工しづらいという欠点があるのです。
その点、焼成し、不純物を取り除いた焼成珪藻土は、調湿性能も向上し、また、不純物がないことから、
塗り壁の原料として使ったとき、施工の色ムラ等のリスクも低く抑えられるといったメリットがあります。
珪藻土は、産地によって、調湿性能が違うといったことをいう人がいます。
それは、ある意味正しいと思います。
その原因と考えられる点は、産地によって、珪藻(けいそう)の含有量や、種類が違うせいだと思われます。
珪藻土は、珪藻という藻(も)が海底や湖底に堆積したものだといいましたが、
植物プランクトンにも沢山の種類があり、骨格の形状にも、沢山の種類があります。
すると、穴(細孔)を沢山持つ珪藻のほうが、調湿性が高いだろうと、容易に想像がつく訳です。
ただ、それは、珪藻土を「生」のまま使う場合のことであって、焼成して使う場合は、あまり差が出ないように思います。
特に、食品加工に使われるレベルの珪藻土であれば、品質も性能も、安全性も、担保されていると考えていいと思います。
珪藻土には、目に見えない小さな穴が沢山空いています。
それが断熱性能を発揮したり、調湿性能を発揮する訳です。
しかし、塗り壁や七輪や、化粧品などといった用途に使われる量は、ほんのわずかです。
ビールや醤油を製造する際の「濾過材」として使われるケースが圧倒的に多いのです。
珪藻土の安全性うんぬんを議論する人もいますが、食品加工に使って安全な素材を塗り壁材の原料に使うわけですから、危険である訳がないと思います。
珪藻土は、調湿性能に優れた塗り壁の原料です。
調湿性能を期待して塗り壁にするのであれば、迷わず、
珪藻土塗り壁を選ばれるといいと思います。
ただし、珪藻土には、未焼成のものと、焼成のものがあって、
食品加工にも使われる珪藻土は、焼成珪藻土であること、また調湿性能が高いのは、焼成珪藻土であることを覚えておかれるといいと思います。
産地によって調湿性能が違うというのは、未焼成の「生」の珪藻土の話だということをご理解頂くといいと思います。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁はいから小町は、ビールの加工にも使われている
焼成珪藻土です。
主原料の珪藻土も、その他の原料も純白なので、濁りのないパステルなカラーバリエーションになっています。
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