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珪藻土タイルは、珪藻頁岩?

2015/02/12
2018/11/09

こんにちは!
漆喰・珪藻土・塗り壁ブログを運営している
アトピッコハウス㈱、自然素材のパイオニア後藤坂です。

私の会社でも、
珪藻土タイルを作ろうとしたことがありました。

珪藻土塗り壁の施工事例

しかし、珪藻土を固めて、タイル状にすることは、
ついに出来ませんでした。

珪藻土は、植物性プランクトンの化石です。
1つ1つは、プラントンの化石なので、

砂粒にも満たない小さな粉です。

それが、無数に集まって、地層になるから、
「珪藻土」として利用できるようになる訳です。

珪藻土には、目に見えない無数の小さな穴が空いていて、
その穴の大きさと水蒸気の粒の大きさの
相性が良いため、

調湿するという性能を発揮する訳です。

しかし、塗り壁というのは、
粉を水で練って、コテという道具で壁に塗っていく。

その手順や難易度、そして、
珪藻土タイルのような簡便さもないので、

珪藻土タイルも開発しようとしました。

しかし、どう工夫しても、珪藻土ではタイルを作れない。

そこで、世の中にある珪藻土タイルを取り寄せて
研究してみると、

どうやら、原料そのものが違うように
思われるのです。

私の見立てでは、珪藻土タイルの原料は、
珪藻頁岩です。

珪藻(けいそう)は、湖底や海底に堆積し、それが化石となり、
地層となって、珪藻土(けいそうど)となる訳ですが、

それは、あくまでも「土」です。

その「土」の状態の「珪藻土」に、
地中の高温・高圧が加わると、

「岩」にまで変化します。

それが、「珪藻頁岩」と呼ばれるものです。

もとの原料は、珪藻土と同じく、
珪藻ですが、

岩の状態まで硬くなっていますので、
見た目も、手触りも、重さも違います。

しかも、性能としての特徴にも違いがあります。

珪藻頁岩は、地中の高温・高圧になって、
珪藻土の「穴」も小さくなっているのです。

そして、その結果、水蒸気と相性が良い
穴の大きさよりも、VOCと呼ばれる
有害化学物質との相性の方が良くなっているのです。

もちろん、調湿性もありますが、
調湿性単体で考えると、「珪藻土」の方が性能がいい。

ただ、「岩」になるほど、密度高く、硬くなっている
ことによって、

珪藻土タイルの原料として使える訳です。

よく、珪藻土タイルや、珪藻頁岩そのものに、
霧吹きで、水を噴霧し、

一瞬で吸収される「様」を見せて、
「ほら、調湿性がすごいでしょ!」というデモをしますが、
実は、あれは、吸湿でも、調湿でもなく、

単に「吸水」なのです。

いくら、珪藻土タイルの吸水性能が高くても、
室内の湿気を調整する「調湿性能」とは、
理屈が違うので、

生活環境を快適にしてくれるとは限らないのです。

ただ、珪藻土をタイルとして貼れるということは、
「意匠的」に「好き」というニーズには対応できます。

色々なテクスチャーを付けることも出来ますから、
珪藻土タイルを壁に貼るという

内装仕上げも悪くないと思います。

ただ、珪藻土タイルは、珪藻頁岩を原料にしたタイルなので、
調湿性能に関しては、珪藻土の方が上であると
考えた方がいいということです。

珪藻土の塗り壁は、2mm程度の塗り厚であるのに対して、
珪藻土タイルは、6mmとか8mmといった厚さがあるので、
厚さが厚い分、調湿性能は高くなります。

実際の調湿性能は、JIS規格等の性能試験で
測定した客観的なデータで比較すればいいと思います。

ただ、珪藻土タイルは、珪藻土の塗り壁よりも、
材料価格も、施工価格も高くなることは
理解しておかれた方がいいです。

まぁ、意匠性が好きだからという理由であれば、
多少値段が高くても選ばれればいいと思いますが、

居間の正面の壁だけ、珪藻土タイルにして、
残りの壁は、珪藻土の塗り壁という選択肢でもいいと思います。

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