塗壁も、色々種類があるけど、意匠で選ぶか機能か?
塗壁と一口に言っても、外装用もあるし、内装用もある。
それに、内装用に絞っても、珪藻土だったり、漆喰だったり、
粘土だったりと、材料によって、様々な選択肢がある。
選ぶ側としては、どの塗壁を選んだらいいのか、
実に迷うことだと思います。
では、種類の多い塗壁の中で、どうすれば、
自分の希望に一番合う「塗壁」を選べるか書いてみたいと思います。
目次
代表的な塗壁は、漆喰、珪藻土、その他
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤坂です。
塗壁と言われて、一般の方の頭に直ぐ浮かぶのは、
漆喰か、珪藻土だと思います。
漆喰は、昔からあるイメージだし、高級なもの
という意識があると思います。
そして、珪藻土は、流行の物、憧れのものといった
印象があるかも知れません。
確かに、今、普通に流通している塗壁の中では、
漆喰と珪藻土は、比較的、一般の方にも、
認知されています。
したがって、塗壁を選ぶ場合、漆喰か、珪藻土か、
あるいは、それ以外の塗壁かと、考えるのは、
あながち間違った選び方ではないと思います。
漆喰も、本物と漆喰風とがある
まず、漆喰について、詳しくお話ししてみます。
漆喰とは、消石灰を原料とした塗壁で、とても、施工が難しい素材です。
プロの左官屋さんでも、上手に仕上げようと思うと
何年も経験を積まないとならない製品です。
もちろんDIYは出来ません。
それに、強アルカリ性ですから、気をつけないと、
危険でさえあります。
今、普通に「漆喰」と呼ばれているものは、実は、
本物の漆喰ではなくて、「漆喰調」とか「漆喰風」と呼ばれる
塗壁であることが、ほとんどです。
何が違っていて、何が、同じなのかと言うと、
漆喰調に仕上がるという意味においては、漆喰と呼べなくもなく、
原料に消石灰を使っていないという意味においては、
漆喰ではありません。
塗壁に何を求めるか?
家を建てる人や、そこに住む人が
何を求めて「塗壁」にしたいと考えているのかによって、
選択肢は、大きく変わります。
漆喰風に見えたり、漆喰調に仕上がればいいのであれば、
漆喰調に仕上がる塗壁で十分だと思います。
漆喰の仕上がりと言えば、「ツルっ」とした、
まるでペンキを塗ったような意匠です。
もちろん、パターンを付けた仕上げも出来ますが、
昔ながらの「漆喰」をイメージしている方にとっては、
ツルっとしたピカピカの壁が、魅力なのだと思います。
ただし、残念ながら、漆喰に調湿性は、ほぼありません。
意匠性なら選択肢は広がる
意匠性で、漆喰がいいという方であれば、本物の漆喰でも、
漆喰風に仕上がる塗壁でも、ペンキと呼ばれる
塗料でも、似たような感じに仕上がります。
本漆喰には、ほぼ調湿性がなく、
ペンキにも調湿性は期待できせんが、
塗壁選定の基準が「意匠性」であるという場合は、
選択肢は、かなり広く広がると思います。
ついでにお話ししておくと、昔の漆喰は調湿しました。
しかし、それは、漆喰そのものが調湿した訳ではなく、
下地が土壁だったので、下地が湿気を吸ったり
吐いたりしてくれたお蔭で、漆喰が
調湿しているように感じたのです。
現代の住宅は、石膏ボードの上に、漆喰なり、
珪藻土といった「仕上げ材」を塗りますので、
仕上げ材に調湿性能がないと、仕上がった塗壁に、
調湿性もないのです。
性能重視だと、選択肢は広くない
もし、調湿性能とか、消臭性能を期待して、塗壁を選びたい
ということであれば、「本物の漆喰」ではなく「漆喰風」に仕上がる
塗壁か、あるいは、珪藻土の塗壁がいいと思います。
どの珪藻土塗壁でも、調湿性能が高いという訳ではありませんが、
「調湿建材」には、基準があるので、JIS表示を確認すれば、
調湿性能は、「グラム単位」で、把握できます。
JIS規格では、70g以上の調湿性能がないと、
調湿建材とは名乗れないことになっていますから、
性能が気になる方は、メーカーの表示を確認されると
いいと思います。
しかし、比較的、珪藻土塗壁の方が、調湿は得意ですから、
調湿性能が気になる方は、珪藻土塗壁の資料を集め、
「調湿量」を確認するといいと思います。
いかがでしょうか?
塗壁を選ぶ際の基準の参考になりましたでしょうか?
見掛け、つまり意匠だけを重視するなら、
漆喰でも、漆喰調でも、珪藻土でも、珪藻土風でも、
塗料でも、なんでも良くて、選択肢が広い。
ただし、調湿性能や消臭性能といった「性能重視」の場合は、
選択肢が広くないということがお分かりになりました
でしょうか?
ただし、調湿性能に関しては、JIS規格が定められていますので、
客観的な比較ができますから、参考にされると良いと思います。
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