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漆喰とクロスの価格差、その理由とは

2018/05/30
2022/08/10

壁紙やクロスの価格も、実に不透明ですが、それは、どの段階の価格を考えるかということが、難しいのであって、業界の事情を知っている者からすると、別に、難しくもなんともありません。

ただ、普通に壁紙とか、クロスと言うとビニールクロス、ビニール壁紙を想定しますので、ビニールクロスと、本物の自然素材クロスとでは、製品の価格も、施工費も違ってきますし、ましてや塗り壁なんかとは、価格も大きく違ってきます。

ここでは、壁紙クロスと、塗り壁との比較を行ってみたいと思います。

アトピッコハウスには、すっぴんクロスという自然素材クロスがありますが、こちらは、本物の布クロスです。

本物の布クロス「すっぴんクロス」の詳細は、こちら

すっぴんクロス

安いものは、50円100円といったクロスもある

ビニールクロスの壁

自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤坂です。

ビニールクロスは、ほんとに安いです。さすがに、最新の見本帳に掲載されている商品は、50円、100円という訳にはいきませんが、ちょっと古いものとか、「量産品」と言われるものは、1メートルあたり、50円100円で買えるものが、ザラにあります。

見本帳に、1,000円/mと書いていれば、1メートルあたり1,000円という意味になる訳ですが、これが、工事をするクロス屋には、50円100円で、入手できるということなのです。

施工賃を合わせても、原価で600円?

そんな50円100円といった量産物の壁紙クロスの場合は、クロス工事屋さんの「張り手間(工事費)」をプラスしても、1メートルあたり600円なんてこともあります。

しかし、実際には、材料費用と、工事の手間賃の合計が、600円では、クロス工事屋さんも生きていけません。それは、マンションなどの大型物件で、何万メートルも張る場合です。

住宅のように、せいぜい400~500メートルといった場合は、1メートルあたり1,000円程度の費用は、請求されると思います。

1000番台のクロスは、材工で1,000円

壁紙クロスの価格は、クロスさんで、1,000円/mとすると、建築工事の元請けである工務店さんとか、建築会社さんとか、リフォーム店さんの経費がかかりますので、1,200円とか、1,500円といった価格を提示されると思います。

クロス張り

これも、会社によって、「見せ方」が違うので、価格も変わります。

どういうことかというと、建築会社さんは、建築工事契約金額の25%程度の「利益」を必要とします。

ただ、「当社は、利益率25%です」とは言えないし、クロス工事屋さんとか、塗り壁工事屋さんといった協力業者さんから請求された費用を、そのまま裸で計上し、「当社の経費25%」とは書けないのです。

本当は、そうした方がシンプルです。しかし、業界の慣習として、「諸経費は10%」位が普通ですから、それぞれ「工事項目」に、自社の利益(経費)を計上していきます。

だから、壁紙クロスの価格が、1,200円/mとか、1,500円/mということになるのです。ただ、これは普通のことです。

もし、25%以下の利益(経費)しか確保できていない建築会社だとすれば、何年も、経営が保たれている訳がないのです。あるいは、本当に、その程度の経費しか取れていないとしたら、相当に経営は苦しい筈です。

あとは、「元請け」の価格設定次第

住宅の場合、壁紙クロスの価格が、クロス職人さんの段階で、1,000円/m程度であるとお話をしました。

あとは、「元請け」と呼ばれる建築会社が、いくらのm単価を設定するかという話になりますが、もちろん仕入価格の高い壁紙クロスを使用する場合とか、施工が面倒な製品を施工する場合は、クロス工事屋さんからの請求も高くなりますし、建築会社の「経費」も高くなりますので、ビニールクロスであっても、1メートルあたり2,000円を超える場合もあると思います。

漆喰塗り壁調のクロスという選択肢もある

塗り壁にするには予算がないけれど、漆喰クロスを選べば、漆喰風の見た目に仕上げることはできます。一般的な1000番台のビニールクロスに比べると費用は多少上がりますが、実際に漆喰を塗ることを考えたら破格の安さです。

ただし、漆喰クロスは下地の紙に漆喰パウダーや漆喰の混ざった樹脂を付着しているだけなので、漆喰風塗り壁が持つ調湿性能や、消臭効果については期待できません。

漆喰塗り壁の特徴とは?

漆喰は昔から日本の伝統的なお寺やお城で使用されてきた左官材です。主原料は消石灰で、繊維のある麻すさや海藻糊を混ぜて作られる自然素材です。白鷺城と呼ばれる姫路城の美しい白さも漆喰でできています。

漆喰壁

昔ながらの本漆喰は土壁とセットで使われてきました。分厚い土壁に漆喰を薄く仕上げることで調湿効果や断熱機能が取れていましたが、現代の住まいでは、手間も材料費用もかかりすぎて土壁を下地として使用することは無くなりました。今では石膏ボードなどが下地として活躍しています。

現代の下地に合わせ、消石灰が原料の本漆喰から、漆喰風の塗り壁が多く誕生しました。
漆喰風の塗り壁の特徴は、薄い石膏ボードと合わせても、漆喰風塗り壁自体が調湿性能や消臭効果を持っているというところです。また、扱いにくい消石灰が原料の本漆喰に比べ、プロの職人でなくても施工ができるというところも特徴です。

アトピッコハウスの漆喰風塗り壁「漆喰美人」は、消臭性能に優れ、調湿性能も一般的な漆喰の2倍以上あります。

漆喰の2倍調湿する漆喰調塗り壁「漆喰美人」の詳細は、こちら

花の塗り壁 漆喰美人

織物クロスも自然素材

自然素材の壁材は塗り壁だけではありません。織物でできた布クロスも自然素材の壁材です。布クロスというのは、ビニールクロスではありません。本物の「織物」を原料にした壁紙クロスです。

丈夫だし、豪華です。しかも、調湿性もあるので、室内が快適になります。しかし、製品価格は高いです。それに、どんな下地でもキレイに仕上がるビニールクロスに比べ、丁寧な施工が必要となります。施工にも手間暇がかかるので、施工費用も高くなります。

高級なビニールクロスよりも、金額は高くなります。

漆喰とクロスの価格差を比較して値段の相場は?

ビニールクロスは高くても㎡単価1,000円ほどです。そこに施工費が加わったとしても㎡あたりの施工費用は2,000円ほど。漆喰の場合は材料費が㎡単価2,000円ほどですが、下地材なども考えると3,000円ほどとなり、材工で6,500円/㎡となります。(新築200㎡施工の参考価格)

施工範囲が狭くなればさらに単価は上がりますし、リフォームの場合も価格帯は変わってきます。

漆喰とクロス価格差が出るのはなぜ?

新築でもリフォームでも、まず標準仕様の建材があります。これを使用すればプラス費用なし、オプションで選んでいけば費用が上がっていくというわけです。

壁材の標準仕様はビニールクロスであることが多く、先でも述べたようにビニールクロスは材料費用も施工費用も安価です。左官材である塗り壁は、材料費用もそうですが、施工の工程が増えるため施工の手間賃が高くなるため、ビニールクロスと比較すると、2倍とか、3倍という価格になってしまうのです。

ただし、1,000円の2倍だと2,000円で、3倍だと、3,000円です。この程度の価格で、塗り壁にすることは、不可能ではありません。但し、ここにまた、「建築会社の経費」というのが入ってきますので、ユーザーに提供する価格が、4,000円とか、5,000円という話になるのです。

ビニールクロスと値段の価格差を出しても漆喰壁にする効果メリットとは?

コスト プロフィット

一般的にビニールクロスが標準仕様であることがほとんどです。家づくりをしていく上で、決まったビニールクロスであれば追加費用なし、布クロスや左官材である塗り壁にすれば材料費用、施工費用ともに高くなっていきます。

左官材であれば、クロスの4倍~5倍ほどの費用差になることもあります。初期費用はかかりますが、長い目で見て漆喰壁を施工することには多くのメリットがあります

まずは調湿性能や消臭効果です。余分な湿気や嫌なニオイを吸着してくれ、部屋の環境を整えてくれます。ビニールクロスの様に数年で劣化し張り替える必要はなく、一度施工すれば数十年は持つので、ランニングコストが良いこともメリットの一つです。

漆喰はプロの職人さんがコテで施工し、仕上げる壁材です。コテ跡は職人さんによってそれぞれ違いますし、コテ跡は光と相性が良く、陰影を生み出し高級で表情のある特徴的な雰囲気に仕上がります。

漆喰と珪藻土塗り壁の費用の違いは?

漆喰と並んで人気の壁材珪藻土。珪藻土は藻の化石で多孔性という特徴から漆喰よりも調湿性能が高いです。珪藻土が塗り壁として使われてきてから20年ほどしか経っていませんが、珪藻土は昔から七輪やレンガとして私たちの生活にあった材料です。

珪藻土塗り壁には必ず凝固材が入りますが、凝固材に接着剤が使用されている場合、珪藻土の持つ多孔がふさがれて調湿性能が期待できないという商品もありますので注意が必要です。

見た目としての珪藻土塗り壁の特徴はツブツブとしたゆず肌。滑らかに仕上がる漆喰に比べザラザラとした仕上がりが特徴です。

漆喰風の塗り壁はコテで仕上げる下地材が必須であることが多いことに対し、珪藻土はローラーで仕上げる下地材を使えるものが多いというとことから、一般的に珪藻土は漆喰よりも費用を抑えられます。

コテで仕上げる下地材は材料費用も高くなりますし、施工工程も増えるので費用が高くなるのです。ローラーで仕上げる下地材は費用も安いですし、施工も簡単です。

アトピッコハウスの珪藻土塗り壁「はいから小町」は、シーラー処理だけで仕上げられるので、漆喰よりも経費を抑えて塗り壁に出来ます。また、調湿性能は、漆喰の6倍、241g/m²/24hです

漆喰の6倍調湿する珪藻土塗り壁「はいから小町」の詳細は、こちら

珪藻土塗壁 はいから小町

漆喰を外壁に使用する場合の費用相場は

外壁を漆喰に塗り替える場合の費用相場は、30坪の住宅でおよそ70万円~80万円ほどです。適切にメンテナンスを行えば、100年は持つといわれている漆喰外壁。ランニングコストが良いので、長い目で見れば高くはないでしょう。

差額があっても建築会社に依頼すれば安心と保証が手に入る

壁紙クロスの価格が分かっても、建築工事会社の原価で、提供してもらえる訳でもありません。また、素人の方が、直接、クロス工事屋さんとか、塗り壁職人さんを手配して、直接工事を依頼するというのも、現実的ではありません。

となると、工事全般を仕切ってくれる建築会社にお願いすることになりますから、建築会社の経費(利益)分は高くなるのです。それで、安心と、保証を買うことになります。

工事を建築会社に依頼すれば、余計な手間も心配もなく、工事を完成させてくれ、引渡し後に、なにか不具合があっても、直ぐに対応してくれます。そのための経費だし、そういう立場の人なのです。居てもらった方が、いいと思います。

まとめ

材料費用の単価だけでは工事はできないということです。ビニールクロスよりも布クロス、それよりも費用が上がるのは漆喰や珪藻土といった塗り壁です。費用が上がる理由としては材料費だけではなく、施工の工程が変わることにより施工費用が上がるというところがあります。

しかし、初期費用が高くなってもランニングコストは良い自然素材。健康にも良く、仕上がりの雰囲気も美しいです。予算を検討しつつ、納得のいく壁材を選べるといいですね。

塗り壁はどうしても高くなりますから、予算を抑えて自然素材にしたいという場合は、すっぴんクロスは、オススメです。

本物の布クロス「すっぴんクロス」の詳細は、こちら

すっぴんクロス

よくあるご質問

漆喰塗り壁とクロスの価格差はどのくらい?

ビニールクロスを基準とした場合、漆喰塗り壁にした場合、およそ3倍~5倍の価格差が出ます。しかし、漆喰壁は長持ちしますし、仕上がりも美しいです。アトピッコハウスの漆喰風塗り壁漆喰美人は消臭効果に優れた塗り壁材です

漆喰と珪藻土塗り壁の違いは?

漆喰はツルっとした仕上がりで消臭効果が高く、珪藻土はツブツブとしたゆず肌仕上げで調湿効果が高いです。珪藻土よりも漆喰の方が費用が高くなることが多いです。アトピッコハウスの珪藻土塗り壁はいから小町は調湿性能が本漆喰の6倍あります

漆喰塗り壁調クロスのメリット・デメリットは

漆喰クロスを貼ることで、漆喰の塗り壁を施工するよりも安価に漆喰の雰囲気を作ることができます。デメリットとしては、漆喰塗り壁が持つ本来の調湿機能や消臭効果はほとんど得られないことです。

漆喰で外壁を塗る場合いくらくらい?

外壁を漆喰に塗り替える場合の費用目安は、30坪の住宅でおよそ70万円~80万円ほどです。適切にメンテナンスをすれば100年は持つといわれているため長い目で見れば高くはありません。

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アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。

漆喰、珪藻土、カオリンと、合計3種類の
オリジナル塗り壁材を製造販売しています。

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