珪藻土塗り壁の下地処理の必要性
珪藻土の塗り壁は、調湿性が高いとして人気ですが、施工に当たっては、シーラーであったり下塗であったりといった下地処理が必要になります。
というか、漆喰系の塗り壁にしろ、珪藻土系の塗り壁にしろ、下地処理なしで仕上げられるという製品は、基本ありません。
では、珪藻土を施工する場合、どんな下地にしないとならないのか、解説してみたいと思います。
アトピッコハウスには、「はいから小町」という珪藻土塗り壁がありますが、こちらは、シーラーによる下地処理が標準になっています。
▶下地処理が簡単な珪藻土塗り壁「はいから小町」の詳細は、こちら
目次
下地処理は、下塗りが一般的
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤坂です。
昭和初期の頃なら、住宅の壁下地は、土壁でした。塗り壁の仕上げも珍しくなかった訳です。しかし、現代の住宅は、ほぼ100%石膏ボード下地です。
石膏ボードというのは、原料の「石膏」をダンボール紙で、サンドイッチしたような形状のものです。標準的な大きさは、91cm×182cmです。それを壁に貼っていくと、天井までの高さは、一般的に240cm(2.4m)ありますから、石膏ボードと石膏ボードの間に、継ぎ目が生じます。
巾方向の場合は、91cmごとに、継ぎ目が生じます。この継ぎ目のことを「ジョイント」と言いますが、珪藻土の塗り壁材を塗りたいと思ったら、まずは、「この継ぎ目」の処理をしないとなりません。
石膏ボードと石膏ボードの間には、隙間が空いている訳ですから、その隙間に「パテ」と言う充填剤を擦り込んで、隙間を無くします。また建築の際に使われた木材や釘などアクや錆が出るところにも「パテ」処理をします。そして、全体的にパテが乾いてから、シーラー処理とか、下塗りといった「下地処理」をする訳です。
珪藻土の前に下地を塗る価値と必要性
なぜ、下塗りするかというと、一番の目的は「下地を平滑にする」ことと、「吸水調整をする」ことです。先ほど説明したように、ボードとボードの間の隙間は、パテで埋めますから、石膏ボード表面のダンボール紙と、パテ部分では、「吸水率」が違います。
どういう意味かと言うと、塗り壁材というのは、水で練られていますので、その「水分」が、下地に、吸い取られていきます。その吸い取られるスピードが、違うことによって、仕上げの段階で、表面に「色ムラ」を発生したり、ジョイント(継ぎ目)の部分が目だったりするのです。
そこで、下地の状態を「均一」にすることによって、色ムラを防ぐのです。そのために、下塗りをしたり、シーラー処理をしたりするのです。
シーラー処理という方法もある
下地処理の方法は、「下塗り」の他に、「シーラー処理」という方法があります。これは、全てのメーカー、全ての商品で当てはまる訳ではなく、塗り壁のメーカーが、「シーラー処理」で、OKの商品ですよと、言っている商品だけで通用する話です。
このシーラー処理の場合も、まずは、ボードの隙間を埋める「パテ処理」という作業は、必要です。このパテ処理をすることで、下地を平滑にします。そして、その後、シーラー処理することで、下地の「吸水率」を均一にするのです。
目的は、「吸水調整」ですから、シーラーは、規則正しく塗るのではなく、全体的にランダムに、バシャバシャ塗るのが基本です。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁「はいから小町」用のシーラーは、ハッピーシーラーと言いますが、ほぼ無臭の「吸水調整剤」です。
▶はいから小町専用の吸水調整剤「ハッピーシーラー」の詳細は、こちら
既存の壁別下地処理方法
珪藻土の下地 石膏ボードの場合
石膏ボードの場合、パテ処理後はシーラーで下地作りができます。シーラーは均一にならないようにウールローラーで縦横ランダムにバシャバシャと塗りつけます。シーラー塗布後は2時間(夏場)及び4時間(冬場)以上乾燥させてから珪藻土で仕上げます。
珪藻土の下地 クロスの場合
剥がれたり破れたり、カビが生えていない状態の良いビニールクロスの場合ははがすことなく施工ができます。表面全体を軽く拭き取り掃除をし、パテ処理後はシーラーで下地作りができます。紙クロスや布クロスなど、ビニールクロス以外のクロスの場合は一度はがす必要があります。
クロスを剥がした後はシーラーではなく、コテを使った下塗が必要になります。
珪藻土の下地 合板ベニヤ・塗り壁の場合
合板ベニヤや塗り壁の場合、水分を含んだ珪藻土を乗せることでアクが染みだしてくる可能性が高いです。そのため、アク止め効果のある下地材を使う必要があります。コンクリートやモルタル下地の場合も同様に下塗が必要です。
下塗は12時間ほど乾燥させてから仕上げの珪藻土を施工します。
アトピッコハウスの下塗材「下塗革命」はアク止め、下塗り、シーラー処理の工程が一度に終了する優れものです。
左官屋さんは、下塗り施工の方が好き
塗り壁のプロの職人さんである左官屋さんは、コテという塗り壁用の道具を使いなれているので、シーラー処理よりも、下塗りをしたがります。費用や、材料代は、下塗り材の方が高くつきますが、施工費用は、職人さん次第なので、それほど割高にならずに下塗りしてもらえる場合もあります。
シーラー処理の場合は、ペンキ屋さんが使うローラーという道具を使います。左官屋さんは、このローラーを使って、バシャバシャと壁にシーラーを塗るよりも、コテを使って、下塗り材を塗った方が作業も早いし、現場が汚れないようにする「養生」という作業も簡単なので、下塗りをしたがる訳です。
但し、材料代は、シーラーよりも、下塗り材の方が高くつきます。また、作業費も下塗りの方が高くつく訳ですが、こちらは、交渉可能だということです。
但し、材料代は、シーラーよりも、下塗り材の方が高くつきます。
また、作業費も下塗りの方が高くつく訳ですが、こちらは、交渉可能だということです。
DIYか、プロ施工か?
珪藻土をDIYで施工するといった場合でも、下地処理の必要性は、プロに工事をお願いする場合と、一緒です。下地処理なしで、仕上げ材の珪藻土を塗るということは出来ません。
ただ、ビニールクロスの上に、DIYで珪藻土を塗りたいといったような場合なら、ホームセンター等で購入できる珪藻土風の塗り壁材や塗装材を使うと、比較的簡単に工事できますので、手軽に珪藻土を施工したいという方にはおすすめです。
但し、本物の「質感」や「性能」を実感したいということであれば、最低でも、「下地処理」までは、プロに依頼した方がいいと思います。珪藻土のDIYというと、コテを持って、楽しく塗っているところを想像すると思いますが、その前に、床や柱やドア等の「汚れ防止(養生)」が必要だし、その後の下地処理が必要になります。
上手、下手という問題もありますが、この「仕上げ材」を塗る前の準備が、相当に面倒なのです。
まとめ
珪藻土の塗り壁を施工する場合には、シーラー処理にしろ、下塗りにしろ、必ず、下地処理が必要になります。プロの左官屋さんに依頼した場合は、下塗りをしたがりますし、確かに、下塗りをした方が、失敗も無く、綺麗に仕上がります。ただし、費用は、シーラー処理よりも高くつきます。
アトピッコハウスには、はいから小町という珪藻土塗り壁がありますが、こちらは、シーラー処理でOKな珪藻土塗り壁です。ただし、下地によっては、下塗りが必要になる場合もあるので、DIY施工をされる方には、どんな下地であっても下塗りをして頂くことを推奨しています。その方が格段にキレイに仕上がります。
いずれにしろ、本格的な珪藻土塗り壁は、素人の方のDIYでは、多少難易度が高いので、プロに工事を依頼されることをお勧め致します。
▶下地処理がシーラーで完了する珪藻土塗り壁「はいから小町」の詳細は、こちら
よくあるご質問
珪藻土を施工する前に下地を作る必要性とは?
壁の凹凸を抑えたり、壁と珪藻土の接着効果を高めるために下地の施工は必要です。下地の物によってはアク止めをしたり、壁を強化するものもあります。
アトピッコハウスの下塗革命はアク止め効果があり、パテ材にもなる優れものです。
珪藻土の下地の施工方法が変わるのはなぜ?
現状の壁の状態によって下地の施工方法が変わります。新規のボードであったり状態の良いビニールクロスの場合はローラーで塗れるシーラー処理でいいことが多いですが、それ以外の下地の場合凹みなどを平滑にしたりアク止めをするために下塗が必要になります。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁はいから小町は新規ボード、状態の良いビニールクロスの場合シーラー処理で塗ることができます。
珪藻土をDIYで施工することはできる?
珪藻土をDIY施工することは可能です。既存の壁によって下地の施工方法が変わるため、判断が難しいですが、どんな壁であっても下塗をすることで仕上がりはきれいになります。手軽にDIY施工をしたいということなら、下地不要のDIY商品を購入されることをおすすめします。
左官屋さんはシーラーよりも下塗を好むのはなぜ?
左官屋さんはコテという塗り壁用の道具を使いなれているので、ローラーで仕上げるシーラー処理よりも、コテで仕上げる下塗りを得意としています。また、コテで下塗をした方がキレイに仕上がるということを知っているからです。
無料で、資料・サンプル差し上げます
アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。
漆喰、珪藻土、カオリンと、合計3種類の
オリジナル塗り壁材を製造販売しています。