「調湿建材」とは、JIS規格で定める評価基準をクリアした「調湿性能」を持つ建材のことを言います。JIS規格で定める「調湿試験」には2種類あり、1つは建築材料の吸放湿性を評価するJIS A1470-1で、もう1つは、塗り壁材などの吸放湿性を評価するJIS A6909です。
一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会では、JIS A1470-1において、29g/㎡以上調湿し、かつ同協会に登録していれば、「調湿建材認定マーク」を付与しています。(詳細後述)
登録されている「調湿建材」を住宅リフォームなどで使用すると、省エネが促進されるとして、補助金が給付される可能性があります。
※一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会のサイトは、こちら
https://www.kensankyo.org/nintei/tyousitu/tyousitu_top.html
経済産業省の次世代省エネ建材支援事業として実施された大建工業の報告では、「調湿建材の検証実験」において、「調湿建材で施工した調湿棟」と、「ビニールクロスで施工した非調湿棟」との比較で、下記の違いが得られました。
調湿棟と、非調湿棟の仕様の違いは、壁と天井の内装材が、調湿建材であるか、調湿性能を期待できないビニールクロスであるかといった点だけです。
それで、湿度が20%低く抑えられ、結露水の発生は、ほぼゼロに抑えられ、カビの発生が抑制されました。また、気密性能0.34c㎡/㎡の別の高断熱高気密住宅の実測評価において、冷房消費電力が8.5%削減されるといった結果が得られました。
調湿棟 | 非調湿棟 | ||
所在地 | 岡山県岡山市 | ||
断熱性能 | H4省エネ基準相当(開口部:H11省エネ基準相当) | ||
気密性能 | 2.2[c㎡/㎡] | ||
換気回数 | 0.5[回/h](第一種機械換気) | ||
内装 仕上 | 天井 | 調湿天井材 | ビニールクロス |
内壁 | 調湿壁材 | ビニールクロス | |
床 | 断湿 | 断湿 |
比較項目 | 調湿棟 | 非調湿棟 |
相対湿度(%) | -20% | - |
結露水量(g) | 0.1g | 95g |
カビの発生 (カビ指数) | 発芽なし (3.5未満) | 8.4 |
冷房消費電力削減(%) | 8.5% | - |
https://www.kinki-shasej.org/upload/pdf/2018.10.19.No336.1.pdf
同協会の「調湿建材判定基準」とは、次のようなものです。
https://www.kensankyo.org/nintei/tyousitu/kijyun.pdf
以下、抜粋します。
3. 判定基準
3.1 調湿性
(1)吸放湿量
吸放湿量は、4.1 によって試験し、中湿域(相対湿度範囲 50%-75%)の吸湿量、放湿量が、それぞれの時間において下表の規定に適合しなければならない。
3時間後 | 6時間後 | 12時間後 | |
吸湿量(g/m²) | 15以上 | 20以上 | 29以上 |
放湿量(g/m²) | - | - | ※1、※2 |
※1 放湿過程 12 時間後の放湿量は吸湿過程 12 時間後の吸湿量の 70%以上とする。
※2 上記試験法において、70%未満である場合、中湿域での周期定常吸放湿試験を 4 サイクル繰り返し、1~4 サイクル目の放湿量がすべて 20 g/㎡以上とする。
4. 試験方法
4.1 吸放湿量
JIS A 1470-1:2014(建築材料の吸放湿性試験方法-第1部:湿度応答法)により、周期は 24時間で行う。吸湿量は、中湿域(相対湿度 50%-75%) )における吸湿過程の湿度のステップ変化に対する経過時間 3、6、12 時間後の値を測定する。また、放湿量は放湿過程の湿度のステップ変化に対して同様に測定を行い 12 時間後の値を測定する。
また、塩飽和水溶液の相対湿度(中湿域 53%-75%)で測定したデータを使用しても良い。
上記試験で放湿過程 12 時間後の放湿量が、吸湿過程 12 時間後の吸湿量の 70%未満の場合、上記JIS A 1470-1:2014 の附属書 JA(規定)に準拠して周期定常吸放湿試験を行う。なお、湿度条件は中湿域とし、4サイクル繰返すものとする。
一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会がまとめた資料によると、下記のメリットがあるとされています。
https://www.kensankyo.org/nintei/tyousitu/20221102.pdf
以下に、その概要を抜粋してご紹介します。
調湿建材を使うと、お部屋の様々な問題が解決されることがご理解頂けたでしょうか?
「塗り壁材」の「調湿性能」は、もう1つのJIS規格(JIS A6909)で評価します。JIS A6909は、「建築用仕上塗材」に関する規格で、主に建築物の内外壁や天井を、吹き付け、ローラー塗り、こて塗りなどによって立体的な造形性を持つ模様に仕上げる建築用仕上塗材について規定しています。
JIS A6909は「建築用仕上塗材」の中の「吸放湿性試験」の方法を定めています。この試験方法は以下の通りです。
・温度23℃で、相対湿度45%の空間中に48時間静置し、その後相対湿度90%の空間中に24時間置いたときの吸湿量とその後相対湿度45%の空間中に24時間置いたときの放湿量を連続して4回(吸湿量を2回、放湿量を2回)測定します。
・その合計の1/4を「吸放湿量」として求めます。
この試験方法は、調湿性能があるとされる建築用仕上塗材の吸放湿性能を評価するために使用されます。それぞれの試験条件に注意して試験値を評価すべきであるとされています。
なお、この規格では、吸放湿量が70g/m²以上であれば、「調湿形」と表示できることになっています。
アトピッコハウスには、3種類のオリジナル塗り壁があり、それぞれの調湿性能(吸放湿量)は以下の通りです。
アトピッコハウスの塗り壁材 | 調湿性能 | JIS規格との比較 |
珪藻土塗り壁「はいから小町」 | 241 g/m²/24h | JIS規格の3倍 |
漆喰調塗り壁「漆喰美人」 | 94 g/m²/24h | JIS規格の1.34倍 |
カオリンの壁「パーフェクトウォール」 | 61 g/m²/24h | JIS規格の0.85倍 |
JIS A 1470-1では、29g/㎡、JIS A6909では、70g/㎡が最低基準でした。
調湿性能に最も優れている珪藻土塗り壁「はいから小町」の吸放湿量は、なんとJIS規格(JIS A6909)のゆうに3倍を超えています。調湿建材は、「吸湿」と「放湿」の両方の性能に優れていないとならない訳ですが、はいから小町は、吸湿、放湿ともに、JIS規格の3倍以上の性能を発揮するのです。
湿度コントロールができると、どんなことが期待できるのか? おさらいしましょう。
以下のことが期待できます。
調湿性能を期待されるなら、珪藻土塗り壁「はいから小町」が断然オススメです。
はいから小町の調湿性能は、241g/㎡/24hで、JIS規格の3倍以上です。
珪藻土塗り壁「はいから小町」の詳細は、こちらです。
調湿建材は、ビニールクロスと比較すると、施工費用が高くなりますが、省エネに役立つという意味では、SDGs的に優秀な内装仕上げ材です。また、快適で健康的な室内空間になることを考えると、人にとっても理想的な内装材と言えます。
唯一の課題は、非調湿建材との差額費用を捻出できるかどうかといったことだけだと思います。ただ、珪藻土塗り壁「はいから小町」は、ビニールクロスのように5年10年で張替えを必要としないので、10年20年のスパンで考えると、それほど大きな差額は発生しません。
また、夏場のエコアン使用量が低く抑えられることを考えると、差額は、もっと少ないと言えます。それで、日々快適な生活が送れるわけです。
珪藻土塗り壁「はいから小町」は、湿度の高い夏場だけでなく、乾燥する冬場にも活躍します。湿気を吸って吐く力(調湿性能)が高いので、部屋が「過乾燥」になることがないのです。
珪藻土塗り壁「はいから小町」の調湿性能は、241g/㎡/24h。漆喰の6倍、JIS規格の3倍調湿します。吸湿と放湿の両方の機能に優れていますので、省エネ、防カビ、結露対策、湿度調整等々、期待できる効果は盛りだくさんです。
かつてアトピッコハウスは、「みんなで止めよう温暖化 チーム・マイナス6%」の参加企業でした。そして、今は、「かながわ SDGsバートナー企業」です。調湿建材を普及させることで、地球温暖化防止に貢献し、かつ人が暮らす「住まいを快適に」できると本気で考えています。
まずは、家を新築したり、リフォームする人の3%が、調湿建材の魅力と価値に気が付き取り入れてくれることに注力したいと思っています。。
アトピッコハウスでは、「湿度に注目すると暮らしが変わる」というコンセプトを掲げています。
まずは、珪藻土塗り壁「はいから小町」の製品ページをご覧ください。