数値、数値、数値

すっぴんクロスに息を吹きかけたけれど、空気が抜けない。調湿効果を実証した試験結果はあるのか。

と、いうお問合せを工務店の方からいただきました。初めていただいたお問合せに目が白黒しました。

綿シャツのような記事なら息を吹きかければ空気が抜けることもありますが、絹のような細い糸で編みこんだ生地で、そうそう簡単に空気が抜けていたら、着物なんて寒くて真冬に着られません。

壁紙には裏紙というものがついています。
すっぴんクロスは反物ですが、反物のままでは壁紙になりませんので、織り上げた反物を「裏紙」と張り合わせることで、壁紙になります。

裏紙が和紙のように薄いと、施工上問題がありますから、それなりに厚みのある紙と貼り合わせていますし、息を吹きかけてパラパラするような薄手の反物では、下地を拾ってしまい壁紙としての機能を備えていないことになります。

空気が抜ける　ことと調湿効果は違う、とご説明したところ、データはないのか？と聞かれました。試験結果があればお客さんが納得する、というのです。

調湿効果の難しい説明はコチラでお勉強していただくとして、こういう人に限って「数値」に拘るというか、グラフがあれば、それで納得してしまう傾向があるような気がします。

グラフや数値をみて、理解できるのかな
検査機関の信用性や、グラフの横の単位の見せ方によって大きくも、小さくも見えるカラクリに私がついていけない、という現実もありますが‥。

試験結果やデータを否定するつもりはないのですが、それだけに頼ることを私は嫌っています。もっと、自分の経験や感覚で理解することはできないのでしょうか。

桧のフローリングは暖かい
畳は感触が柔らかい
コットンはふんわり

確かに、イメージだけで売っている商品もありまし、食品はもちろん建材にもまがい物が多いのも事実。それに騙されてしまう人がいるから、「裏付け」が必要になるのですが、データばかり頼りにするような人から、健康住宅だ、自然素材だ、と説明を受けても、説得力がありません。

今日計った数値が、明日にはもっと高性能な検査機械が開発され、陳腐なデータになることはしょっちゅう。だから、自分の感覚を大事に、自分自身の判断基準を持つことが大事。

感覚人間の私は、直感で物事を判断しています。
そして、比較的即決人間なのであまり迷うこともないので、周囲は決断の理由がわからず宇右往左往することもシバシバですが、私の中には数値にはできない明確な基準があるのです。

だから、数値、検査、データと騒いでいるような方とは相性悪し。
数値ばかりで良さを説明する人は信用できない、と思う私と、数値も提示できないアホなヤツと思うであろう相手の方。お互い理解できないから、不幸な関係になりやすいので、そういう人との接触はできる限り避けることが、最も良い対処法のようです。

ということで、息を吹きかけても空気が抜けないすっぴんクロスでも良いという方のご利用をお待ちしております。

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