本物は織物壁紙でした
熱海にある起雲閣という文化財施設に行ってきました。
大正から昭和の浪漫あふれる名邸というキャッチフレーズがピッタリ合う、見事な建物にうっとりしました。昔の日本人はお金持ちだったんだな~、と感心したと同時に、元々金持ちだった人が、そのままお金持ちになっているから、「本物」をわかっていて、どこにどうお金を使うべきか、ということを知っている人だんだ、と感じました。
このお部屋は玉姫というお部屋で、無垢材を使っているのは当然として、壁紙は「シルク」で編んだ「織物壁紙」でした。図柄は、確かシルクロードで使われていた物を、そっくりに模写しているとか。綿や麻などと全く違う風合いです。
この画像は、ちょっと見難いのですが、現在の喫茶ルームのクロスです。部分的にホツレていますが、無垢材とクロスの経年変化が、共にいい味わいです。ビニールクロスに慣れてしまった現代人は、こういうホツレを極端に嫌いますが、ここにビニールクロスを貼っていたら、クロスだけが既に朽ち果てているハズ。
最近、地産地消で無垢材を使っていることをアピールしている工務店さんが少なくないですが、何故か壁はビニールクロス。
それって「フェラーリ(よくわかんないけど)に、ビニールのシートをつけているようでアンバランスだ。」とおっしゃった方がいましたが、こういう年代物の建物をみると実感できます。無垢材は何十年も使えますが、ビニールクロスは10年。張り替えても張り替えても、偽者であることには変わりないのですし、無垢材の味には追いつくことができません。
15年経過した住宅展示場の合板フローリングをお客様に見ていただいて、無垢材をオススメするようにしている、という工務店さんがいらっしゃいました。でも壁はビニールクロスなんだよね~。合板フローリングとビニールクロスが、なかなかつながらないですね。
このお部屋は「土佐の青漆喰」という物だそうですが、残念ながら、現在は顔料を入れた入洛風樹脂で塗りなおされています。起雲閣は、数年前まで宿として利用されていたので、廊下なども樹脂で塗られていましたが、既に割れて崩れてきているところも見受けられました。
ビニールや樹脂など、石油製品の耐久性って、やっぱり短い。今は、昔のような良い木材がないという背景を考慮したとしても、天然素材の耐久性には適わないのではないか、と思います。もちろん、樹脂やプラスチックを利用することで生活が便利になっていることも事実ですが、使う場所、使い方をもっと考えていきたいと、改めて思いました。
文化財にはならないかもしれないけれど、年数を重ねるごとに味のある、価値の上がる建物を提供していきたいな、と改めて決意した1日でした。
お庭も綺麗でしたよ。今週末なら桜も咲いているんじゃないかな。
熱海市がこの施設を管理しています。いつまでも大事にしようと思ってくれるように、多くの方が見学されることを願います。
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