遮音材の貼り方とは?床の防音対策で知って欲しいこと
集合住宅で生活する際、どんな人が両隣や上下階に住んでいるのか知っていますか?今の時代なかなか交流することも少なく、たまに顔を合わせた時にあいさつをする程度…という場合も多いかと思います。
集合住宅に住んでいると様々な事が気になったり、ほんの些細な事がトラブルの原因になったりもします。その原因の一つが騒音トラブルです。
足音や物を落とした際の音は思っているより響き、下の階の住人から「うるさい…」と思われているかもしれません。
この記事ではそんな騒音トラブルになる前に知ってほしい、床の防音対策におすすめな遮音材とその貼り方についてお伝えします。
アトピッコハウスの床の防音材「わんぱく応援マット」は遮音等級L40を確保した床防音材です。
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目次
遮音材と吸音材の違い
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの伊藤です。
防音対策をする際に色々インターネットで調べたりすると「遮音」「遮音材」や「吸音」「吸音材」という言葉を目にするかと思いますが「防音」という言葉そのものは具体的な方法を示すものではありません。
「防音」とは室内の音が外に漏れたり、外部からの音が室内に入らないように防ぐことの概念的な言葉であり、その「防音」効果を出すために「遮音」「吸音」などの方法を用いるということになります。
遮音・遮音材とは
まず「遮音」というのはその字の通り「音を遮(さえぎ)る」事を意味し、空気中に伝わる音を遮断し外部へ音が漏れないようにする事を言います。
そしてその性能を備えた防音材を「遮音材」と言います。
「遮音材」は床や壁、天井などに使用され、コンクリートや鉄板、石膏ボードなど密度が高く重い素材を使用することで音を跳ね返して遮断させます。
しかし、コンクリートや鉄板、石膏ボードなどは重く大掛かりな工事が必要となり、施工費用も多くかかってしまいます。そのため個人で防音対策をする際は、同じ遮音性能を持つ「遮音マット」や「遮音シート」などの遮音材を用いると良いでしょう。
アトピッコハウスの遮音材「わんぱく応援マット」は遮音性能を持つ床防音材です。重量感のある密度の高いマットなので、子どもの足音などの防音対策に最適です。
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吸音・吸音材とは
一方「吸音」というのは、空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変えることで音を減少させる方法を指すことを言います。
その性能を持つ防音材を「吸音材」と言い天井や壁に設置します。
「吸音材」はウレタンスポンジやグラスウール、フェルトなど無数に穴が開いている「多孔性」の素材を使用しているのが特徴です。これに音が当たるとその素材の中の空気が振動する際に抵抗の力が働き、音のエネルギーが繊維間の摩擦によって熱エネルギーに変える事で吸音効果が生じます。
吸音材の形状はマット状やシート状のものがあり、壁や天井に設置し使用します。
ただ、吸音材だけでは全部の音を吸収することは難しく、遮音材など他の防音材を組み合わせて使用するのが防音効果を高めるポイントです。
また、注意点として吸音材を壁や天井に貼り過ぎると反射する音がなくなってしまうので、お部屋が寂しい印象になってしまうことがあります。吸音材を使用する際は今一度確認をしましょう。
床の防音対策で知ってほしいこと
集合住宅では子どもの走り回る足音や、椅子をひいたりスプーンなど硬いものを落とした時に発生する音は思いのほか下の階には響いてしまい、騒音トラブルの原因となってしまいます。皆がストレスなく心地よく暮らすためにはしっかり防音対策をする事が重要です。
ここからは床の防音対策の方法について知ってほしい事をお伝えします。
床の遮音等級「L値」とは?
まず床の防音対策をする上で必ず知ってほしい遮音等級「L値」について解説します。遮音等級とは「床の防音性能を表す指標」のことを指し、「L値」で表します。
Lの後に数字が入り(例:L -40、L -50など)、この数字が小さいほど遮音性能が高くなります。防音対策をする際はこのL値の数字を確認してどの防音材を使用するかが大切です。
建物の床に響く音は「床衝撃音」と呼ばれ、さらに「軽量床衝撃音(LL値)」と「重量床衝撃音(LH)」の2種類に分けられます。
【軽量床衝撃音(LL)】スプーンやおもちゃを落とした時の音やハイヒールなどを履いて歩いた際のコツコツといった軽くて硬い音
【重量床衝撃音(LH)】素足による足音やジャンプをした時のドスンドスンという重くて柔らかい音
日本建築学会ではマンションなどの集合住宅では「LL -45」「LH -50」程度が望ましいとされていますが、各マンションによって規定が異なるので防音対策をする際は確認をしましょう
「軽量床衝撃音」はラグやカーペット、ジョイントマットをひくことである程度の防音対策は可能です。ですが、「重量床衝撃音」は床のコンクリートスラブ(下地のコンクリート)の厚さや密度が関係してくるので、ラグやカーペットだけでは防音対策は難しくなります。
そのため、何の音に対して防音対策をするのか?を改めて考える事が大切です。
床の遮音材「わんぱく応援マット」とは?
アトピッコハウスには「わんぱく応援マット」という床の遮音材があり、床材との組み合わせにより遮音等級「LL -40」「LH -50」の遮音性能が確保できます。
床下地を二重に作らなくてもコンクリートの上に敷きこむだけで遮音性能「L -40」が確保する事ができるため大かがりな工事は必要ありません。
メリットとデメリット
「わんぱく応援マット」のメリットとデメリットをお伝えします。
【メリット】
・床がフカフカしない
マンションのフローリングは遮音性能を高めるためフワフワする商品を使用しています。「わんぱく応援マット」はそのフワフワ感がなく無垢フローリングも可能です。
・床暖房に対応
「わんぱく応援マット」は床暖房にも対応しておりリビングや子ども部屋に最適です。
・簡単施工なので低コスト
「わんぱく応援マット」はフローリングの下に敷きこむだけの簡単な施工なので、工事費が節約できます。
・天井が低くならない
「わんぱく応援マット」は厚さがわずか11ミリなので、2重床のように床が極端に高くなる事がなく、天井の高さも維持できます。
・管理組合への提出書類を完備
マンションのリフォーム工事などはマンション管理組合の許可が必須です。「わんぱく応援マット」にはそのための書類もご用意しています。
【デメリット】
・DIYは難しく釘が効かない
重量のあるマットなので素人施工は難しく、プロによる施工を推奨しています。
・外部や浴室は使えない
「わんぱく応援マット」は外部や浴室には使用できませんが、洗面所・トイレには使用可能です。
床の遮音材「わんぱく応援マット」施工手順
それではここからは「わんぱく応援マット」の施工手順をご説明します。まずは以下を事前準備してください。
・下地の不陸は1mの範囲で3mm以内
・不陸の原因となる異物を完全に除去
・補修で使用したモルタル他を十分に乾燥
コンクリート床下地に貼る場合
遮音材の施工手順1:平滑な下地を作る
コンクリート床に直接施工の場合、平滑なモルタル下地を作って頂く必要があります。大きな不陸があると「浮き」「床鳴り」の原因になります。
遮音材の施工手順2:異物を完全に除去する
下地の表面は不陸の原因となる異物を綺麗に取り除きます。
遮音材の施工手順3:下地面に接着剤を塗布する
下地の準備が出来たら、下地面に接着剤(セレクティUR-145を推奨)をクシゴテで均一に塗布する。際根太(きわねだ)を設置する場所はあらかじめフェルト部分を除去しておきます。
※際根太=床を支えるために壁に取り付ける根太のこと
遮音材の施工手順4:わんぱく応援マットを敷きこむ
わんぱく応援マットを敷きこむ。この際、必ずフェルト面を下にして施工してください。
遮音材の施工手順5:際根太を設置する
壁の周囲、敷居際等は、荷重による沈み込みを防止するため、際根太を設置します。フェルトの部分をカッターなどで取り除き、その部分に同じ厚みの際根太を入れます。
遮音材の施工手順6:わんぱく応援マットの上に接着剤を塗布する
わんぱく応援マットの敷き込みが完了したら、わんぱく応援マットの上に、クシゴテで接着剤(セレクティUR -145を推奨)を均一に塗布します。
遮音材の施工手順7:合板を捨て貼りする
良質な9mm以上の合板を捨て貼りをする。貼り始め、貼り仕舞は5mm程度空けます。捨貼合板の継ぎ目が同じ位置にならないよう千鳥(交互)に貼ります。捨貼合板はしっかりと、わんぱく応援マットに固定させ、継ぎ目は5mm程度空けます。継ぎ目の段差は0.5mm以下になるように施工してください。
遮音材の施工手順8:フローリングを貼る
下地表面は不陸の原因となる異物を綺麗に取り除き、接着剤と釘打ちを併用してフローリングを貼ります。釘止めは約300mmピッチとし、可能な場合はコンクリート面に届く長さの釘打ちが理想です。必要に応じてスペーサーなども使います。
木下地に貼る場合
遮音材の施工手順1:わんぱく応援マットを敷く
床下地が完成したらわんぱく応援マットを敷き込みます。必ずフェルト面を下にして施工してください。(木下地の場合は接着はいりません)
遮音材の施工手順2:壁の周囲、敷居際等に際根太を設置する
わんぱく応援マットを隙間なく全体に敷いたら、壁の周囲、敷居際等は荷重による沈み込みを防止するため際根太を設置します。フェルト部分をカッターなどで取り除き、その部分に同じ厚み(8mm)の際根太を入れます。(推奨)
遮音材の施工手順3:合板を捨て貼りする
床鳴りの恐れがある場合は、厚さ9mm以上の不陸のない品質の良い合板の捨貼りを推奨。捨貼合板の継ぎ目が同じ位置にならないよう千鳥(交互)に貼る。捨貼合板はしっかりと、わんぱく応援マットに固定させます。継ぎ目は5mm程度空け、継ぎ目の段差は0.5mm以下になるように施工してください。
遮音材の施工手順4:フローリング貼り
下地表面は不陸の原因となる異物を綺麗に取り除き、接着剤と釘打ちを併用してフローリングを貼ります。釘止めは約300mmピッチとし、釘は保持力がある接着剤付きステープル、またはスクリュー釘等で施工します。必要に応じてスペーサーなどを利用して隙間を開けて貼るようにします。
まとめ
この記事では、遮音材の貼り方と床の防音対策ついて解説をしました。マンションなど集合住宅に住む際はしっかりとした防音対策はもちろん、日々のコニュニケーションや一人一人の意識が大切になります。
我が家の床は下階の住人にとっては天井です。お子さんの足音が心配…という方は、一度家族で防音についてお話しするのも良いでしょう。
近隣住民との良好な関係を築き、それぞれが思いやりの気持ちを持って、心地よく安心して生活できるといいですね。
アトピッコハウスの床防音材「わんぱく応援マット」は遮音等級L 40の遮音性があり、床材との組み合わせによって遮音性能を確保しています。
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よくある質問
遮音シートだけで防音はできますか?
遮音シートだけでは期待できる防音効果で出るとは言えません。遮音シートは薄いため、遮音シートだけではなく吸音パネルなどの吸音性能がある素材やその他の防音材と組み合わせる事で防音効果を発揮します。
アトピッコハウスの床防音材「わんぱく応援マット」は床材と組み合わせる事で最大遮音性能L40の遮音性能を確保します。
床に防音材を使用してもおしゃれにできますか?
防音効果もほしいけど自分好みのおしゃれな床にしたいという場合は、防音マットを床に敷きその上に好きなカーペットやラグを敷く事をオススメします。
床の遮音材「わんぱく応援マット」の上にカーペットやラグなどを敷いて防音を取りつつ、おしゃれも楽しんで頂けます。
壁に防音材を貼る順番はありますか?
まず吸音材で音の反響を減少させ、遮音材で外からの音を遮断させますので、『吸音材→遮音材→壁』の順番が防音対策には有効です。
DIYで手軽に防音対策はできますか?
今はホームセンターなどでも様々な防音対策商品を販売しています。その防音シートや防音ボードなどの防音材でも防音対策は可能です。壁の防音対策ですと家具の配置を変えるだけでも手軽に対策はできます。ですが、さらに高い効果のある防音対策をする際はプロに施工をお願いするのがおすすめです。
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