珪藻土のアスベスト問題と、アスベスト入り漆喰
ニトリから発売された珪藻土マットにアスベストが混入されていたということで、製品の回収騒ぎがありニュースになりました。
また、その問題が原因で、珪藻土の安全性とか、塗り壁に使われている珪藻土にもアスベストが入っているのではないか? 健康被害があるのではないかといったことを心配される人も出てきました。
では、珪藻土には、アスベストが入っているのでしょうか?
また珪藻土バスマットで問題になったアスベストは、何が問題だったのでしょうか?
アスベストが使用禁止になってからも、漆喰の原料として使われたこともありますが、そもそもアスベストの何が問題で、珪藻土塗り壁や、珪藻土バスマットとどういった違いがあるのでしょうか?
そうしたことを詳しくお伝えしたいと思います。
アトピッコハウスには、「はいから小町」という珪藻土塗り壁がありますが、こちらにはアスベストは入っていません。調湿性能が、一般的な漆喰6倍以上と、調湿性能に特徴を持つ自然素材100%の製品です。
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目次
アスベストとは?
アスベストは、原料的に言うと蛇紋石や角閃石を繊維状に変形させた天然の鉱石です。耐火性や絶縁性があるため、建物の断熱材や電線の被覆材などとして重宝されていた時代がありました。使用用途の90%以上が建材製品でした。
しかし、発がん性が指摘され、1975年頃から住宅への使用が規制されるようになり、2006年(平成18年)には、製造も使用も全面的に使用禁止になりました。
では、アスベストには、どんなリスクがあるのでしょうか?
一番の問題は、アスベストの「形状」と「細かさ」「分解のし難さ」といったことが影響しています。アスベストそのものは、非常に安定した素材です。しかし、繊維が細かく、先端がとがっているので、吸引すると肺に刺さって、15年から40年後に肺がんを誘発するという健康被害が発生します。
なぜ珪藻土バスマットにアスベストが混入したのか?
日本では製造も使用も禁止になったアスベストがなぜ、いま流行りの珪藻土マットッに混入したかというと、それは、製造した中国では、使用禁止になっていなかったという理由からです。ニトリなど大手の会社は、原料の一部としてアスベストが入っていたことは知らなかったと思います。
しかも、アスベスト混入を指示したとも考えられません。珪藻土バスマットにアスベストが混入していたことは、日本のメーカー的には、チェックが甘かったと言えますし、事故に巻き込まれたようなものだと思います。
しかし、製造を委託した中国では、いまだに普通にアスベストが使われているようですから、それほど大きな理由もなく、珪藻土マットの原料の一部として、アスベストを使ったのだと思います。
珪藻土とアスベストの関係性
珪藻土は、珪藻(けいそう)という藻(も)が堆積した地層の化石です。七輪などに使われることで有名ですが、地中から掘り起こしただけでは、ボロボロと崩れます。そこで、バスマットのように形状、用途の商品を作ろうとすると、成型のための副資材が必要となります。
問題になった珪藻土バスマットは、成型のための副資材としてアスベストが使われたようなのです。
珪藻土は、海底とか湖底に堆積した珪藻(けいそう)の死骸ですから、自然の状態でアスペストを含んでいません。不純物として考えられるのは、魚とか葉っぱといった有機物です。つまりゴミとか、カスですね。
珪藻土は、耐熱性や断熱性があるので、七輪に使われるほか、調湿性があるので、住宅の内装材として使われます。デメリットとしては、珪藻土は、珪藻土単体では固まることが出来ないので、多くの珪藻土塗り壁は、接着剤を混ぜて固めているということです。
ただ、アトピッコハウスの珪藻土塗り壁「はいから小町」は、自然素材100%、にがりとマグネシアの働きで固まっているので、接着剤不使用です。
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家に使う以外の珪藻土の用途
珪藻土は、七輪や住宅の壁材としても使われますが、その用途の多くは食品加工に使われます。ビールや醤油といった商品は、製品の加工に、ろ過材として使われます。
珪藻土は、珪藻の化石で、魚とか落ち葉といった不純物が含まれますから、そのままの状態では、食品加工に使われません。そこで、1,000度程度の高温で焼いて、不純物を飛ばします。
そうして出来た焼成珪藻土を白色珪藻土言いますが、この成分を使って、ビールとか醤油といった商品のろ過をするのです。
また、建築資材、食品加工のための添加物、バスマットのほかにも、給水性を生かして、コースターなど使われたりもします。
アスベストの使用規制に関して
アスベストは、吸引すると肺に刺さって、15年から40年後に肺がんを誘発する危険性があるため使用禁止になった訳ですが、アスベストが使用された建物などを解体する際、飛散し、作業員が吸引し、健康を害する可能性があるため、アスベストの処分にも厳しい決まりがあります。
通常のゴミとして処分することは一切できません。
専門の業者による適切な処分が義務付けられている訳です。
塗り壁としての珪藻土とアスベスト
珪藻土は、調湿性能の高い塗り壁材です。珪藻土を固める際に、糊とか接着剤を必要としますが、壁材として使用する場合、アスベストを使用する必要はありません。
各社から発売されている珪藻土の塗り壁材にも、アスベストが意図的に加えられている製品はないと思います。また事故で、アスベストが混入するということも考え難いので、珪藻土を塗りたいと考えている方で、アスベストの危険性を考える必要はないと思います。
アスベスト入りの漆喰塗り壁
2006年当時の話です。アスベストとしっくいを混ぜた左官材が健康建材として販売されていたことがあります。
というか、元々左官材用にアスベストを販売していたのですが、アスベストが使用禁止になり、次の手を考えたようなのです。
その商品をHPでみてみると、「アスベスト」の文字は一言もみつかりませんでした。
その理由は2つあると思います
1つは、アスベストを焼成することによって「違う製品になっている」という解釈からだと考えられます。
確かに、青梅は猛毒だけど梅干にすると食べられる、という原理と違わないといえば、違わないかも‥。でも、なんとなく釈然としないのは、梅干は元々が青梅からできていることを知っているし、見れば分かるのに、アスベストがどう変化して、どこが安全なのか、すぐに分からないところです。
化学記号とか並べられても、ふーん、って思うしかない時、化学をサボっていた自分を多いに反省します。
もう一つは、説明する必要がない、というスタンスです。
確かに、問題ないのかもしれません。
細かく内容成分まで気にする人は少数派だし、自然素材という表現をどこまで解釈するかの違いなのかもしれません。「植物からできた洗剤」だって、原料は植物でも製造の過程で合成洗剤になっていても、問題視する人が少ないのと同じです。
「自然素材」「天然素材」「漆喰」「珪藻土」という名称だけで満足しますから、ユーザーのニーズにマッチした合理的な商品と、ある意味言えるかもしれないです。
当時、HPにはこんな説明がありました
日本の伝統文化である漆喰は、昔から呼吸する壁として、広く使われています。
当社は、今、住環境に求められる快適性と、シックハウス問題に取り組み、機能をより充実させた漆喰「○○○」を提供致します。
焼成したアスベストを混ぜたことが「機能をより充実させた」ことになるのか、もっと優れた「何か」が加えられているのか‥。
化学の時間にほとんど寝ていた人に言われたくはないでしょうが、技術や安全性の検証は日進月歩です。明日には、新しい検査方法が開発されて、その焼成方法問題あり! ってなったらどうするのでしょうか?
きっとその漆喰を除去することを商売にするのかも知れません。
アスベストが使用禁止になった2006年当時でも、アスベスト除去で大忙しでした。
まとめ
ニトリの珪藻土バスマットにアスベストが混入していることが判明し、製品の回収騒ぎがおきました。また、珪藻土の塗り壁にもアスベストが入っているのではないかと不信感が広がりました。
しかし、結論から言うと、珪藻土は、アスベストではないし、珪藻土の塗り壁材にアスベストが混入する可能性も、低いです。
住宅の内装に珪藻土を塗りたいと検討されているのなら、安心してメーカーに問い合わせをすると良いと思います。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁は、アスベストも接着剤も入っていません。
調湿性能は、業界最高水準の241g/24h/㎡です。
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よくあるご質問
珪藻土はアスベストですか?
違います。アスベストではありません。珪藻土は珪藻(けいそう)という藻(も)の化石です。調湿性能が高いという理由から、塗り壁材の原料として使われていますが、アスベストとは全く別物の素材です。アスベストは、蛇紋石や角閃石を繊維状に変形した天然の鉱石ですが、危険なのです。
珪藻土塗り壁はいから小町にアスベストは入っていますか?
アスベストは、入っていません。珪藻土塗り壁「はいから小町」は、純度の高い焼成珪藻土(白色珪藻土)を主原料とする珪藻土塗り壁です。アスベストは入っていませんし、入れていません。また科学的な接着剤なども入れていません。
なぜ珪藻土バスマットにアスベストが入ったのですか?
アスベストは日本では2006年以降、製造も使用も禁止されていますが、ニトリの製品を委託した中国では、いまでも大量のアスベストが使われているようです。アスベストは、価格も安く、珪藻土のつなぎ(接着剤)の働きもあったようです。
アスベストはなぜ危険なのですか?
アスベストも天然の鉱物ですから、自然素材といえば自然素材です。しかし、繊維状になった先端部分がとがっていて、かつ、細いことから吸引して肺に入ると、肺に刺さって出てきません。また、大量のアスベストを吸引すると、15年から40年後に、肺がんを誘発すると言われています。
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