畳の種類と特徴を知って自分に合った畳を選ぼう
「畳って、どんな種類があるの?」
「どうやって、頼んだら良いの?」
日本古来の建材「畳」。米を刈った後に残るわらや、い草を編んで作る畳は無駄がなく、高温多湿の日本の気候に合った、まさにSDGsの代表と言えるかもしれません。
洋室化が進む日本の家づくり、新築の際に和室を作るか悩みどころですが、畳のメリットの多さを考えると、やはり畳を使いたいという方も多いと思います。和室に古臭いイメージを持たれる方もいますが、作り方によっては今時なモダンでおしゃれな部屋にできます。
そんな畳の種類や選び方についてご紹介してみたいと思います。
アトピッコハウスの「ほんものたたみ」は、宮城県産のワラ床(畳の芯)と、熊本産のイグサ(畳表)で出来た純国産の畳です。アトピッコハウスの提携畳店さんが、直接工事に伺います。
目次
畳を使うメリット
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの内藤です。
畳は畳床(畳の芯の部分)、畳表(畳表面のイグサ)で構成されており、畳床を畳表で包んだものが畳となります。
自然素材である畳は、調湿性があるため余分な湿気を吸い込み、室内の環境を整えてくれるという特徴があります。クッション性があるため長く座っても、寝転んでも楽で、吸音性や断熱効果が高いです。空気をキレイにする作用もあり、独特なイグサの香りは森林浴と同等の効果が得られるため集中力アップや精神安定、リラックス効果も期待できます。
また、畳は見た目や効能だけでなくだけでなく、使い道を選ばないので、寝室や食卓など幅広い用途で使用できることも畳のメリットといえます。
主な畳の形状の種類とは?
畳の形状には主に縁あり、縁なし、置き畳の3種類があります。
畳の種類 縁(へり)あり
一般的に目にすることの多い畳です。純和風の見た目から洋風の部屋作りがしにくいという点がありますが、畳の縁をヘリが守ってくれることで使用頻度が高くても痛みにくいというメリットがあります。畳の部屋も縁の模様や、敷き方の種類によって雰囲気の違う部屋になります。
畳の種類 縁(へり)なし
縁なしはその名の通り、縁がない畳です。一般的な1畳サイズの半分の大きさなので「和」のイメージというよりも洋風、アジアンなどどんなインテリアにも合うモダンでおしゃれなイメージになります。畳の種類を選ぶ際、「和」のイメージを強く出したくないという方には縁なし畳がおすすめです。
アトピッコハウスの「ほんものたたみ」にも、縁ありと、縁無しの両方の畳があります。
▶ほんものたたみの詳細は、こちらをご覧ください。
畳の種類 置き畳
和室を作るのではなく、フローリングの上にラグ感覚で敷く置き畳もあります。軽いので間取りを気にせず手軽に敷いたり外したりが可能で、滑り止めもついているのでお子さんの遊び場やお昼寝にも最適です。
本畳に比べ値段も比較的お手頃なので手軽に取り入れられますね。
また、小上がりと呼ばれる、床から一段高くなっている小上がり和室も洋風のインテリアにもマッチし、モダンな雰囲気で使い勝手の良い空間で人気です。
畳表の素材の種類は?
畳表の種類 国産い草表
昔から使われてきたのは国産のい草表です。品質が良く、手間がかかっている分価格は高額となりますが色合い、光沢などの見た目が美しく、い草の持つ独特な香りを感じられます。職人さんの細かな技術から耐久性があることが特徴です。国産なので減農薬のものもあります。せっかく畳を作るなら国産い草がおすすめです。
畳のい草の織り方、量、使う糸の種類によりさらにグレードが変わっていきます。
産地としては熊本県や広島県などがありますが、中でも熊本県のい草は生産量が一番です。
畳表の種類 中国産い草表
高額な国産のい草に変わり国内の8割の畳表は中国産のい草と言われています。コストを抑えられるため、特別にこだわらなければ一般的に使われているい草はほぼ中国産です。
国産の畳表に比べ品質が落ちるため、弾力性や調湿性、耐久性は国産には劣ります。着色していることもあり風合いも良くありませんが、その分価格は安くなります。
畳表の種類 化学表
近年では、天然素材であるい草を使わない畳表も普及しています。原料としては和紙やポリプロピレンなどを使ったもので、デザインやカラーバリエーションが多いこと、水に強く、カビやダニの発生の心配がありません。
畳表の種類 和紙表
和紙畳はい草の代わりに和紙をより合わせて編み込んだ表で作る畳です。樹脂コーティングをしているので撥水性があり、カビやダニが発生しにくいです。また、和紙なので様々なカラーやデザインがあり、モダンで変色しにくいのも特徴です。
しかし、い草の持つ香りや調湿効果などは期待できない、感触がい草より固いため好みが分かれるところです。また和紙畳は一般的なイグサの畳より表部分は割高になる傾向があります。
アトピッコハウスのほんものたたみは熊本県産の減農薬い草を使っています。
畳床の種類は?
畳床の種類 わら床
日本の伝統的な畳床です。米を刈った後残ったわらを乾燥させて幾層にも重ねて作ります。わらの間には空気の層ができ、弾力性が抜群です。また、空気の層に余分な湿気を取り込んだり吐き出したりすることにより調湿性能や保温性能が高いという特徴があります。
ワラ床は厚み、重量があるため、床下が低いマンションや建売住宅には使えない場合があります。また、天然素材のため調湿性能が高いですが、気密性が高く、新鮮な空気を取り込みにくい場所ではカビやダニが懸念されるため、こまめな換気やお掃除が必要です。
畳床の種類 建材床・スタイロ床
手間もかかり、価格が高くなるわら床は今の住宅で採用されることは少なくなりました。代わりに登場したのが建材床です。畳の建材床は様々な構造の種類があります。木製の繊維を固めて作った「インシュレンボード」と「ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)」のものがあり、インシュレンボードとポリスチレンフォームを組み合わせたものもあります。
床の一部にスタイロフォームを使用したスタイロ床もあります。芯をスタイロフォームにすることで軽く、安価に仕上げることができます。
厚みを抑えて作ることもできるため、マンションや建売の住宅に使われるのは建材床です。天然素材ではないため、湿気の影響を受けにくく、断熱効果もありますが、品質において耐久性や踏み心地はわら床にはかないません。
アトピッコハウスの畳床は宮城県産稲ワラを1年間天然発酵させ害虫を駆除し乾燥させています。
畳の厚さの種類もある
一般的に和室の畳として使われる畳の種類についてはJIS規格で55㎜、60㎜という基準があります。しかし、マンションや建売住宅など、洋風の住宅が増えたことで、和室の部屋も他の部屋と同様床下が浅くなり15㎜~30㎜ほどの厚みの畳床も主流となってきました。
畳からフローリングへのリフォームを検討される方も多いですが、一般的なフローリングの厚みは15㎜なので、床下が55㎜や60mあると高さを合わせるために工夫が必要となります。
逆を言えば、マンションなど床下が浅い場合はわら床の畳を希望しても入れられないということになります。
地域によって畳の呼び名の種類、サイズの違いがある
関東と関西では味付けが変わるように、畳の1畳のサイズも実は地域によって変わります。その昔、畳のサイズを基本として家づくりをしていた関西と、柱の距離を基準に家を建てていた関東。
家の寸法の取り方が違っていたという説や、田畑のサイズを測る「一間」は6尺3寸でしたが、時代とともにサイズが変わり、新しいサイズを採用した関東と昔のサイズを引き続き使った関西でサイズが変わったという説があります。
主なサイズの種類は下記の通りです。
京間…95.5㎝×191㎝=約1.82平米
中京間…91cm×182cm=約1.66平米
江戸間…88cm×176cm=約1.55平米
サイズとしては、関西がメインの京間が一番大きく、東海地方の中京間、関東より北の江戸間の順になります。現在では1畳=1坪=1.65㎡という共通認識がありますが、畳業者さんは京間や江戸間といった表現を今でも使われています。
畳の張替え方法は3種類
畳の張替えの種類 裏返し
畳は畳床をイグサでできた畳表で包んだものになりますが、この畳表はリバーシブルで使えるので、畳表をはずして、今まで内側になっていたイグサが表側に来るようにすることで新品の畳のようになります。裏返しの目安は5年ほどですが、ヘリなしの畳の場合は裏返しができませんが、耐久性があるため10年は使えます。
畳の張替えの種類 表替え
畳を裏返しして5年ほど経った頃、畳表のイグサの部分のみを新調して交換するというのが表替えです。畳床はそのままで包んでいる畳表の部分のみ新しく交換することで、また、新しい畳として使うことができます。さらにまた5年したら裏返し、ということを繰り返すことで、畳床の汚れや湿気を取り除くことができ、40年は使うことができます。
畳の張替えの種類 新畳
床の部分がへたってきた、沈み込む感触がする、ギシギシと音がするなど不具合が出てきたら畳床から交換するタイミングです。一から畳を入れ替えるので畳業者さんに採寸してもらい、畳を新しくします。そしてまた裏返し、表替えと繰り返し使っていくことができます。
寝室や食卓として使用頻度が高い場合は畳に負担がかかるため、早めに傷んでしまう可能性があります。畳がささくれ立ってきた、沈み込みがあるなど気になることがあったら早めに業者さんに相談するようにしましょう。
畳の寿命はどのくらい?
先ほど書いたように、上手にメンテナンスをすることで、昔ながらの国産のわら床畳は40年は使い続けられますが、最近では呼吸をしない建材床や発泡スチロールの畳床もあり、い草の代わりに和紙などの化学表が使われているため昔ながらの畳とは耐久性は変わってきますので、早めに業者さんに相談しましょう。
畳を長持ちさせる方法とは?
調湿性能がある畳は湿気を吸い込みます。湿気を吸い込んだままにしておくとカビやダニが発生する原因となってしまいます。湿気を吐き出させてあげるにはとにかく換気と乾燥が大切。こまめに室内の空気を入れ替えてあげることが必要です。
可能であれば一年に一度ほど良く晴れた日に天日干しをすることでカビやダニの防止になります。畳が日焼けしてしまうので、直射日光にはあてないようにしましょう。外に干すことが難しい場合、畳を持ち上げて、缶などで持ち上げることで風が通り、畳が含んだ湿気を外に出すことができます。
畳の日ごろのお手入れ方法とは?
畳のお手入れは、畳の目に沿って掃除機をかける、またはフローリングワイパーでホコリを取り除く程度です。素材が草である畳は水拭きが苦手です。水分が入ることでパサつきが出てしまい、色ツヤがなくなってしまいます。
水拭きがしたい場合は固く絞った雑巾で拭き、さらに乾拭きをする、または畳専用のクリーナーなどを使ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
畳床、畳表から構成されている畳は、床の種類、表の種類、サイズなど様々組み合わせがあるということですね。昔ながらの天然素材を使ったワラ床、い草の表を使った畳は裏返し、表替えを繰り返すことで40年は使える長持ちな床材です。
お好みで縁の有無も選べ、モダンなデザインにも合わせることができる畳の部屋は一部屋あるととても便利です。お子様のいるご家庭にもおすすめな畳の部屋。ぜひご検討なさってみてください。
アトピッコハウスの「ほんものたたみ」の畳床は、1年以上乾燥させた宮城県産のワラを使用しています。防虫シートを使わず、防虫効果のある天然の麻シートを使っています。畳表(イグサ)は、熊本産です。
よくあるご質問
畳にはどんな種類がありますか
基本的に畳は床、表、ヘリで構成されます。昔ながらの畳は床の部分がワラ床で表がい草ですが、現代の住まいに合わせた建材床やスタイロ床、また和紙畳表や化学畳表など、様々な種類があります。縁なしの畳はモダンな雰囲気となり、どんなデザインのインテリアにも合うので和を全面に出したくない方におすすめです。
アトピッコハウスのほんものたたみは昔ながらのワラ床、国産のい草を使っています。
畳のメリットって?
自然素材である昔ながらの畳は無駄な湿気を吸ったり、吐いたりして調湿をしてくれます。また、クッション性があるため座ったり寝転んでも楽ですし、断熱、遮音性能があります。空気をキレイにする作用もあり、集中力アップや精神安定、リラックス効果も期待できます。メリットがたくさんある畳は一部屋あると便利。どんなご家庭にもおすすめです。アトピッコハウスのほんものたたみは調湿性があり、い草の香りを楽しめる減農薬の畳です。
スタイロ畳と本畳の違いは何ですか
本畳は昔ながらのワラ床を使った畳です。調湿性能や耐久性があります。スタイロ畳はワラ床の代わりにスタイロフォームを使用します。本畳が持つ調湿性能や耐久性は期待できませんが、軽く安価に畳を施工することができます。
和紙畳の欠点は何ですか
和紙畳はい草ならではの畳の香りや調湿性能がありません。樹脂でコーティングしているので手触りも固いのが欠点です。価格もそう安くないところもデメリットであると言えます。
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