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歴史ある自然素材の塗り壁

漆喰が剥がれる原因(屋根・壁・外壁)

2021/11/05
2022/07/07

屋根で漆喰が使われるのは、屋根の「軒(のき)」と呼ばれる部分に「熨斗瓦(のしがわら)」と呼ばれる平らな瓦を積み重ねる際に使う葺き土(ふきつち)と呼ばれる粘土を保護するためです。

葺き土(ふきつち)を使って、熨斗瓦(のしがわら)を積み重ねていき、最後に棟瓦(むねがわら)を被せて、屋根の棟部分が完成する訳ですが、そのままでは、葺き土が雨によって流され、崩れてしまうので、葺き土を雨から守るために、葺き土の表面に漆喰を塗る訳です。

屋根の漆喰が剥がれる原因

棟に漆喰が使われている

漆喰には、耐水性があるので、葺き土(ふきつち)と呼ばれる粘土の上に漆喰を塗ることで、葺き土(ふきつち)が崩れるのを保護しています。

しかし、年月の経過とともに、漆喰や葺き土(ふきつち)自体が劣化します。また、葺き土(ふきつち)と漆喰という素材の違うものが2重構造になっているため、漆喰と葺き土の境い目に隙間が出来て、剥がれの原因になります。

地震等による揺れも影響します。屋根から、石のようなものが落ちてくることがありますが、それは、剥がれた漆喰の塊の可能性があるのです。

漆喰の役割は主に葺き土を守ることと見た目

軒に漆喰を塗るのは、熨斗瓦(のしがわら)を積み重ねる際に使う葺き土(ふきつち)を保護することと、見た目の意匠性を高めるためです。

屋根の棟周辺に降った雨は、屋根ではねて、熨斗瓦(のしがわら)の下に侵入しようとします。その雨水の侵入を防ぐのが、漆喰です。しかし、漆喰は耐水性があるものの、完全な防水素材ではありません。

それに、葺き土の表面に直接雨が当たらないよう「薄く」塗るのです。漆喰は、あくまでも葺き土(ふきつち)の保護のためのものです。棟瓦の防水機能は、棟の構造自体で成り立っていて、漆喰が、棟瓦(むねがわら)を支えている訳ではないのです。

アトピッコハウスには「漆喰美人」という漆喰調に仕上がるオリジナル塗り壁がありますが、これは、内装専用です。屋外や屋根には使えません

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漆喰が剥がれてきたときの対処法

棟瓦(むねがわら)の漆喰が剥がれてきても、直ぐに雨漏りするとか、家が腐るということはありません。しかし、漆喰は葺き土(ふきつち)を雨水から守るためのものですから、剥がれてしまうと、葺き土(ふきつち)が雨にさらされることになり、結果、雨水が屋根裏から、室内に侵入してくる原因になるのです。

また、葺き土(ふきつち)表面の漆喰が剥がれたからといって、単純に、漆喰が剥がれた葺き土の上に、漆喰を塗り重ねれば良いわけではありません。不用意に、漆喰を塗り重ねることで、雨漏りが発生する可能性があるのです。

漆喰が剥がれる場合、棟(むね)自体に問題がある場合が多いので、専門の業者さんに見てもらって、必要な補修をする必要があります。

棟の構造も進化し耐震性と防水性が上がっている

昔の和風住宅は、熨斗瓦(のしがわら)と、葺き土だけで積み重ねていましたが、最近は、棟瓦(むねがわら)用の金物が開発されていて、棟瓦がより強固になり耐水性も上がっています。

リフォームで棟(むね)を直すなら、金物を使うという選択肢を加えても良いと思います。台風の強風や地震の揺れにも強くなります。

壁の漆喰が剥がれる原因

室内に塗る漆喰は、下地の上に仕上げ材として1mm程度の厚さで塗った「薄い層」です。漆喰が剥がれてくる場合は、下地と漆喰の境い目が劣化することによるものです。というのも、漆喰は、消石灰を原料としており、消石灰は、石灰石から作ります。

漆喰は、壁に塗ったあと、徐々に硬くなり、100年ほどで、石灰石に戻ると言われており、その間、微妙に収縮し、下地との密着性が失われていきます。その結果、下地からペロっと剥がれてくるのです。

昔の家の下地が土壁だった時代と違い、今は、下地が石膏ボードなので、土壁の上に塗られた漆喰よりも剥がれにくくなっているとは言え、漆喰は、強アルカリであるかゆえ、石膏ボードには直接塗れません。

しっかりと、下塗り等の下地処理をした上で、漆喰を塗れば、5年、10年で漆喰が剥がれてくるということはありません。

壁の漆喰が剥がれてくる原因は、漆喰の劣化というよりは、下地処理の問題です。

外壁の漆喰が剥がれる原因

漆喰の剥がれ

漆喰は、耐水性があるので、外壁や塀といった屋外にも使えます。しかし、耐水性があるといっても、完全な防水素材ではないので、長期間繰り返し雨にさらされると、剥がれる原因になります。

特に、雨が跳ね返る地面近くは、より雨水の影響を受けるので、漆喰が剥がれやすいと言えます。

剥がれた漆喰の補修、メンテナンス

内壁、外壁、塀等の漆喰が剥がれてきた場合は、適切な下地処理が必要です。漆喰は、あくまで表面の仕上げ材で、塗り厚は、1mm程度のものです。壁が崩れていれば、穴埋めし、平滑な下地を作ってから、仕上げ材としての漆喰を塗る必要があります。

壁の穴を埋めるのは漆喰ではありません。補修用の下地材がありますので、そちらを手配し、塗って頂く形になります。

まとめ

漆喰が剥がれる原因は、漆喰と下地材の境い目の剥離に原因がありました。棟瓦(むねがわら)であれば、葺き土(ふきつち)と、漆喰の経年劣化によるものです。

また、壁の漆喰が剥がれる場合も、下地材と、漆喰の劣化によるものです。ただ、現代の住宅は、内装の下地は石膏ボードなので、外壁ほどに剥がれる心配がありません。

また漆喰が剥がれた場合、まず下地を補修し、その後、仕上げ材としての漆喰を塗ります。棟瓦(むねがわら)の補修の際には、単に剥がれた漆喰を練り直せばよい訳ではなく、棟の構造自体をチェックしないと、雨漏りの原因になる可能性があるので、注意が必要です。

アトピッコハウスの「漆喰美人」は、漆喰調に仕上がる内装用の塗り壁です。硬く仕上がってボロボロしません。調湿性能は、漆喰の2倍、消臭性能は珪藻土以上です

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よくあるご質問

屋根の漆喰が剥がれる原因はなんですか?

棟(むね)と呼ばれる部分に漆喰が使われていますが、漆喰の使用目的は、葺き土(ふきつち)と呼ばれる粘土を雨水から保護するものです。しかし、年月の経過と共に、漆喰、葺き土ともに劣化し、境い目に隙間ができることで剥がれが発生するのです。

内壁の漆喰が剥がれる原因はなんですか?

漆喰は下地の壁に塗られた1mm程度の厚みの仕上げ材です。年月の経過と共に、徐々に硬くなり、下地との間に隙間が出来て剥がれてくるのです。また漆喰は強アルカリなので、キチンと下地処理をしないと、剥がれる原因となります。

外壁の漆喰が剥がれる原因はなんですか?

漆喰は、耐水性がありますが、防水性能がある訳ではありません。また、漆喰は、年月の経過と共に、徐々に硬くなり、下地から剥がれてくるのです。また、雨が下地に染みこむことで、剥がれてきます。

剥がれた漆喰の補修方法を教えてください

漆喰は、下地の上に塗られた1mm程度の厚みの仕上げ材です。補修する場合は、下地を補修し、平滑にした上で、漆喰を塗る必要があります。漆喰を厚く塗るのではなく、専用の下塗り材を使う必要があります。屋外の場合は、特に注意が必要です。

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アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
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