遮音材とは? 遮音材の種類と選び方
目次
遮音材とは?
遮音材とは、マンションリフォームの際、階下・隣家への騒音防止のために使う遮音のための素材です。L値やD値で遮音性能が定められており、L値は主に床の遮音性能、D値は壁の遮音性能に使われます。マンション管理組合の許可を受けないと工事が出来ません。
遮音材の種類
遮音材の読み方ですが、「しゃおんざい」と言います。遮音材の意味は、階下、隣家に騒音が響かないようにする素材です。特性としては、床や壁に設置することで遮音性能を発揮するということです。使い方としては、スラブと呼ばれる床のうえに、敷き詰めたり、設置することで、遮音性を向上させます。
仕組みとしては、音の種類に応じて、対策を変えることで、防音性能を上げますが、床に固定することで、遮音性能が発揮されます。樹脂やシート、マット状の遮音材は安価で、比較的工事費も安くコスパも良いですが、遮音用の置き床(2重床)を作る場合は、費用も高くついてしまいます。
では、床スラブに直接施工する場合と、置き床(2重床)を作る場合では、どのような違いがあるのでしょうか?
・床スラブに直接施工する遮音材
マンションなど鉄筋コンクート建築物の床のことを「スラブ」と言います。「床スラブ」などと言ったりすることもあります。最近では、スラブの厚さが200mmを超えるマンションが標準的になりましたが、スラブの厚さは、建物が建てられた時期や、仕様によって、様々です。
シート状やマット状の遮音材を施工する場合は、接着剤を使用し、床スラブに直接貼り付けて行きます。比較的工事も簡単なので、費用も抑えられる傾向があります。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、床スラブに直接施工できる床の遮音材です。仕上げ材との組合せで、最大L40の遮音性能を確保できます。
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・2重床を構築する遮音材
2重床(「にじゅうゆか」と読みます)とは、床スラブの上に、下地用の床を作るやり方です。置き床(おきゆか)とも言います。支柱を建てて、下地のボードを貼って、更に、捨て貼りをして、やっと、フローリングなどの仕上げ材を施工できますので、材料費も手間賃もかかり、結果、工事費が高くなります。
さらに、床が、5cmも10cmも上がってしまうので、もともと2重床でない場合は、天井が低くなったり、建具の開閉が困難になる場合があります。また、工事が大掛かりになりますので、フルリノペーションとか、スケルトンリフォームと呼ばれる全面リフォームの場合しか、採用されないやり方です。
・遮音と吸音の違い
遮音とは、音を遮って、騒音対策することですが、同じ騒音対策でも、吸音は、音を吸収して、隣家に伝わらないようにすることです。マンシヨンの床をリフォームする場合は、主に遮音が問題となり、使われる素材も、遮音材と呼ばれるものです。
そして、吸音材が使われる場合は、主に、隣家への音漏れを防ぐ対策となります。遮音も吸音も、騒音対策という意味では同じですが、アプローチの方法が全く違います。
目的に合わせて、騒音対策をすることがポイントです。
遮音材の特徴
マンション等共同住宅の場合、管理組合で「床の遮音規定」という決まりが設けられています。床の張替え等、内装を変える場合、管理組合の許可および、工事する場所の階下、隣家の許可も併せて取得しないと、工事出来ません。
遮音規定には、各種の等級が定められていますので、まずは、管理組合に詳細を確認する必要があります。
・床に使用する場合は、L等級
マンションの遮音規定は、L値とかL等級と呼ばれますが、軽量床衝撃音(LL)と、重量床衝撃音(LH)の2種類があります。軽量のLLは、スプーンなとの軽いものを落とした際の「キーン」といった高い音です。そして、重量のLHは、ボーリングの玉など重いものを落とした時の「ドスン」といった低い音です。
遮音材は、この高音と低音の両方の騒音に対して効果を発揮する遮音性能を発揮することが基本の原理です。各社工夫を凝らし、面密度の高いフェルトとか、スポンジ、グラスウール、ロックウール等と、各種のゴム製品や、木質製品と組み合わせた製品開発をしています。
厚みも工夫しますし、ホルムアルデヒド等、有害化学物質の使用を抑えるといった当然の配慮もされています。完成した製品の厚さや密度、組合せは、遮音性能に大きく影響しますので、各社の研究とノウハウがあるのです。
マンションでは、主にLLの性能を重視する傾向があり、単にL値とかL等級といった場合、軽量床衝撃音であるLLに関するお問い合わせであることが多いです。
床の遮音材「わんぱく応援マット」は、仕上げ材との組合せで、最大LL40の遮音性能を発揮します。床暖房対応品なので、温めても不具合は起こらず、有害物質や、悪臭も発生しません。
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・床のスラブ厚による性能の違い
最近のマンションの床スラブは、200mmが一般的ですが、少し古いマンションでは、150mmとか、180mmといった場合もあります。床スラブは、厚い方が遮音性能が高いということになりますが、スラブを厚くすると、建築コストがアップするため、建築予算とか、各種の都合により、床のスラブ厚が決定されています。
遮音材の製造メーカーのうち、きちんと遮音試験を実施している会社の場合、試験環境が何mm厚のスラブを想定して実施しているかを明示していますので、メーカー選定の参考にされると良いと思います。
ただ、試験データは、試験場という限られた条件での試験であって、実際の工事現場で、必ず性能が保証されるものではないという点に注意が必要です。また、最終的には、管理組合の判断になるので、管理組合の許可を受けられれば、工事が出来るということになる訳です。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」の遮音試験は、200mm厚のスラブで実施しています。試験データも公開していますので、ご参照ください。
・L値と、D値の違い
マンションの床遮音性能で重要となるL値(えるち)は、床をリフォームする際に守らないとならない規定ですが、それと似た基準で、D値(でぃーち)というものがあります。
このD値は、音響透過損失のことで、主に、壁の遮音性能の基準として使われます。
お隣の騒音が、どの程度、低減されているかを評価する訳ですね。
マンションの室内は、間仕切壁、ふすま、衝立、透明なガラス戸等で区切られています。そして、隣家との間は、界壁が設けられていて、この界壁の遮音性能が問題になる訳です。マンションの壁は、下地が石膏ボードで、壁に空間があるため音漏れがしやすいのです。
遮音材の用途
遮音材は、床材、壁材といった仕上げ材が完成してしまうと部屋から見えなくなりますので、ある意味無駄に見える経費です。しかし、評価されるのは、家が完成してからの騒音とか反響音、歌声等が隣家、階下に影響しないかということです。
用途に応じて、人気の遮音材、吸音材、制振材の違いを調べ、床、壁、天井等、対策したい建築物に応じた最強の遮音材を選ばれると良いと思います。高周波に強いとか、低周波に強いといった特徴もありますし、薄いとか軽いとか、板と組合せているといった製品もあるので、用途に応じて、採用を検討されると良いと思います。
耐熱性があり床暖房と併用できる製品もあります。
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・床用の遮音材
マンションのリフォームでは、L等級とかL値と呼ばれる「床衝撃音」を低減する遮音材でないと、マンション管理組合から許可がおりません。メーカー各社が実施したJIS規格に準じた試験成績表とか、試験場が発行する試験データ等で、評価してもらう形になります。
代わりに提出できる書類は、メーカー発行のパンレット等になりますが、必ず、試験成績表等のデータと一緒に提出する必要があります。
マンション管理組合の「厳しさ」によって、提出した書類だけで許可してもらえない場合がありますが、その場合は、あきらめて頂く以外にありません。
LL45といった規定のマンション管理組合が多いですが、LL40といった厳しいマンションもあるので、その場合、使える仕上げ材が変わってきます。
遮音材は、遮音材単体で遮音性能をクリアしている訳ではなく、仕上げ材との見合わせで、遮音性能を確保しています。したがって、どの組み合わせで、遮音性能を取っているのかを確認する必要があるのです。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」も、仕上げ材との組合せで、遮音性能を確保しています。管理組合への提出書類もご用意していますので、ご請求頂けます。
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・壁用の遮音材
壁の遮音性能を上げる場合は、吸音してくれる素材を使用したり、壁の厚さを厚くすることですが、リフォームの場合だと、質量が重く、密度が高い素材を選ぶと、より遮音性能が高くなります。
壁の遮音の場合、壁を通過して隣家に伝わる「透過音」の低減対策が重要となります。
使用場所による注意点
遮音材を使用したい場所が、自己所有なのか、賃貸なのかによっても、手続きや許可が違ってきます。また、ご自身が、オーナーなのか、借家人なのかによっても、出来ること、出来ないことが変わってきますので、使用する場所による注意点を上げてみたいと思います。
・分譲マンション(所有権あり)
分譲マンションは、自己所有の家ということになりますが、共同住宅である以上、マンション管理組合の許可を受ける必要があります。また、許可を受ける場合は、規定のL等級をクリアした仕様で工事しないとなりません。
・マンション管理組合に提出する「申請書(工事概要書)」
・遮音材メーカーが用意する試験成績書
・遮音材メーカーの製品パンフレット
を用意し、管理組合の理事会に提出し、毎月開催される理事会の議題に上げてもらい、決裁をあおぐのです。お互い様といった気持ちを持ってもらえる管理組合なら、許可してもらえる可能性が上がります。また、階下、隣家との人間関係も大きなポイントになります。
・戸建て住宅(所有権あり)
2所帯住宅で、階下への騒音を減らしたいというニーズがあります。この場合は、許可の問題はないので、費用面がクリアになり、期待する効果が得られるのであれば、問題なく工事出来ると思います。
・賃貸マンション・アパート等
賃貸マンショントやアパートに住まれていて、床をフローリングにしたいという方もたまにいらっしゃいますが、簡易的なもの以外は、ほぼ工事できません。ただ、賃貸マンションのオーナー自身が、ご自身の判断で、床をリフォームしたいということであれば、先に住まわれている方が納得する形で、自由に床の張替えでもなんでも出来ると思います。
・店舗・商業スペース(賃貸)
店舗や商業スペースの床の遮音性能を上げたいということがあると思います。
例えば、スポーツジムにしたいとか、ダンス教室を開きたいといったケースです。こちらはマンションと違って、遮音規定など無いと思いますが、やはり階下・隣家への騒音や振動に対する配慮は必要です。
賃借人であれば、オーナーの許可が得られる形で、申請されてください。
遮音材の施工方法
シート状やマット状の遮音材なのか、2重床を組んで床下地を作る構造なのかによって、工事の順番も貼り方も、貼る手順も、材料を重ねる向き、組み合わせ、裏表も変わってきます。貼り付ける表裏を間違えるだけで、遮音性能を発揮できなくなることもあるので、メーカーが指定する施工手順に従って工事したいものです。
・コンクリートスラブに直貼り
マンションリフォームの場合、シート状やマット状の遮音材は、コンクリートの床スラブの上に直接貼り付ける場合が多いと思います。というのも、マンシヨンの床スラブは、マンションの共有スペースとなるため、勝手にクギを打ったりできないからです。そこで、接着剤を使用して、遮音材を床スラブに接着する訳です。
また、そのまま仕上げ材のフローリング等を張り付けることに抵抗がある場合は、遮音材と仕上げ材との間に「捨て貼り」と呼ばれる合板を1枚入れる場合が多いです。
ここまで出来れば、あとは、仕上げ材に応じた施工方法でどんどん工事していけば完成です。ポイントは、フローリングの場合は、周囲に伸縮用のスペースを残し、巾木で隠すといったことです。プロの方であれば、常識的にご存じなので、問題ありません。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、床スラブに直接施工するタイプの床遮音材です。
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・2重床を組んで下地をつくる
置床(おきゆか)とか、2重床(にじゅうゆか)と言いますが、床のコンクリートスラブの上に、床下地用の「下地」を作るのです。
支柱となる足を床スラブと接着させながら、適度に貼っていきます。その後、支柱の上に下地のパーティクルボートを貼ります。さらに、下地の合板を捨て貼りします。これで、置床は完成なので、あとは、仕上げ材を貼って終了です。仕上げ材の施工手順は、直貼りと同じですね。
遮音材の選び方
仕上がってしまえば見えなくなる下地にお金を使いたくないと思われると思いますが、仕方のない出費です。しっかりと遮音効果が期待できて、マンション管理組合が許可してくれる遮音材製品を選んでください。
遮音材は、遮音性能を確保するため、アスファルト系の匂いの強いゴムを使っている場合もあるので、値段だけでなく、品質等もしっかりチェックして頂くと良いと思います。メーカーが身近にある場合は、直接問合せし、どういう姿勢で販売しているかも確認すると良いです。
遮音材は、屋外で使うものではないので、変な臭いや有害物質が室内に入って来るような製品は避けたいものです。人気ランキングの高い製品がお勧めです。小さい会社でも、しっかりした仕事をしていれば、間違いありません。
床の遮音材「わんぱく応援マット」は、自然素材の内装材メーカー、アトピッコハウスの製品です。仕上げ材との組合せで、最大L40の遮音性能を発揮します。
▶わんぱく応援マットは、鎌倉のアトピッコハウス製、詳細はこちら
では、遮音材の選び方に関して、ご説明します。
・新築かリフォームか?
マンションやホテルの新築といった場合、スラブ厚を厚くしないで、床の遮音性能を上げたいという場合があります。床のスラブ厚を厚くするよりも、遮音材を使った方が工事費を低く抑えることが出来るからです。
またマンションのリフォームであれば、部分的なリフォームなのか、スケルトンにするような大規模なリフォームなのかによっても、選ぶ遮音材が変わってきます。
スケルトンにする場合で、天井の高さに問題がないのであれば、置床(2重床)を作って工事するという方法でも良いと思います。
しかし、一部分の工事で、床も上げたくないといった場合は、シート状とかマット状の遮音材を選ばれるのが普通の選択肢だと思います。
・床は上がってよいか?
置床(2重床)を作ると、5cmから10cm、場合によっては、15cm以上、床が上がってしまいます。床が上がるということは、つまり、天井が低くなるということです。マンションのもともとの使用が、置床(2重床)であれば、床が上がることも、天井が低くなることもありませんが、そうでない場合は、確実に天井が低くなります。
また、置床(2重床)にすると、確実に、シートやマット上の遮音材より費用が高くなります。シート状やマット状だから遮音性能が悪くなるということではありませんので、用途に応じて、相応しい遮音材を選ばれることをお勧めします。
床の遮音材「わんぱく応援マット」の厚みは、11mmです。置床(2重床)と違って、大きく床が上がるということはありません。
▶厚さ11mm、床が大きく上がらない床の遮音材「わんぱく応援マット」の詳細は、こちら
・予算はどの程度あるか?
工事が終わると見えなくなる床下にお金を使いたくないという方がほとんどです。しかし、キチンと遮音性能が確保できて、マンション管理組合の許可も下りないと工事できません。
余計な経費ですが、予算に応じて、工事したい範囲、工事の方法を決定して、相応しい遮音材の採用を決定してください。
まとめ:おすすめの遮音材
アトピッコハウスは、自然素材の内装材メーカーです。マンションで無垢フローリングを施工したいという方のご要望に応える形で、床遮音材「わんぱく応援マット」を開発しました。
床遮音材「わんぱく応援マット」の遮音性能は、最大L40です。こちらは、合板フローリングとの組合せのよるものです。無垢フローリングとの組合せでは、L45の遮音性能となります。
▶最大L40の遮音性能、床の遮音材「わんぱく応援マット」の詳細は、こちら
よくあるご質問
管理組合の許可は必ず取れますか?
わんぱく応援マットは建材試験センターで、JIS規格に基づく試験をして、最大L40の性能があります。だからといって、必ず、管理組合の許可が下りるとは断言できません。まずは、資料を取り寄せ、管理組合にご相談ください。
床はどの程度上がりますか?
床遮音材「わんぱく応援マット」は、厚さ11mmです。9mm以上の捨て貼りを入れることを推奨していますので、2cm程度は床が上がります。ただし、仕上げ材が合板フローリングの場合は、捨て貼りを入れなくても工事出来ます。現場での判断をお願いします。
管理組合提出用の試験成績表を頂けますか?
床遮音材「わんばく応援マット」の遮音性能は、最大L40です。管理組合提出用の書類をご用意していますので、こちらからご請求ください。
タイルでも遮音性能は取れますか?
わんばく応援マットの遮音等級は、最大L40ですが、それは、合板フローリングとの組合せによるものです。硬質タイルや大理石などとの組合せでは試験をしておりませんので、遮音性能が取れるとは言えません。
無料で、資料・サンプル差し上げます
アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。