漆喰にフックやネジを設置するには
漆喰の壁に絵や写真を取り付けたいけど、漆喰の壁に釘を打ったら、漆喰が剥がれてくるのではないか、重いものをかけて平気なんだろかと心配される方もいると思います。結論から言うと、漆喰の壁に、額縁の付いた重い絵でも、棚板でも取り付けられます。
ただし、漆喰の下地の種類によって、フックやネジ、額縁、棚等の取り付け方が変わるので、注意が必要です。
目次
漆喰壁に、写真や絵を掛けるための方法
現代の住まいは、戸建ての住宅であっても、マンションであっても、壁の下地は、ほぼ100%石膏ボードです。しかし、戸建て住宅の場合は、木造であれば、石膏ボードを取り付ける下地は、木材であることが多いです。
また、最近は、木造の戸建て住宅であっても、石膏ボードを取り付ける下地は、軽鉄(けいてつ)と呼ばれる金属製の骨組みが使われているケースも増えています。
そして、マンションなど鉄筋コンクリート造の建物の場合は、石膏ボードを取り付ける下地は、ほぼ軽鉄(けいてつ)と呼ばれる金属製の骨組みです。
漆喰仕上げの壁であっても、下地の骨組みは、木材か、鉄製かといった違いがあり、漆喰壁に、フックやネジを設置する場合、やり方が変わります。また、壁に設置したい物の重さによっても、推奨の設置方法が変わります。
写真や絵を壁に掛ける方法は2種類
漆喰壁にフックやビスを設置する場合、下地の骨組みに取り付ける方法と、石膏ボードそのものに設置する方法があります。石膏ボードは、釘が利きません。軽い物なら、石膏ボードに設置しても問題ありませんが、重いものを設置する場合は、下地の骨組みに固定した方が耐荷重も大きくなり、安心です。
では、比較的軽いものを設置する方法からご案内しましょう。石膏ボードにアンカーを設置して、そこにフックやネジを設置する方法です。作業もこちらの方が簡単です。
アトピッコハウスには、漆喰美人というオリジナル塗り壁がありますが、フック等の取り付けに関しては、一般的な漆喰と同じで大丈夫です。
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ボードにアンカーを打って取り付ける
現代の住宅は、ほぼ100%壁の下地が、石膏ボードです。石膏ボードは、強い衝撃を与えると、比較的簡単に穴が空くモロイものです。釘は利きません。つまり重いものは設置できないのです。
しかし、ボードアンカーと呼ばれるものを使うと、6キロとか10キロといった物も石膏ボードの壁に設置できるようになります。手順をご案内します。
・ボードアンカーを打つ位置を決める
ボードアンカーは、下地の骨組みではなく、石膏ボードそのものに取り付けて、荷重を持たせます。そこで、下地の骨組みが無い箇所を探します。
骨組みが木造でも、軽量鉄骨造でも、住宅の骨組みは、91cm間隔で、柱が入っていて、その間に、間柱と呼ばれる小さめの骨組みが入っています。輸入住宅などは、メーターモジュールと呼ばれ、この間隔が1mとなり、間に細かく木材が入っています。
そこで、石膏ボードにボードアンカーを設置する場合は、下地の骨組みに当たらない位置を決めます。下地を探す専用の道具もありますが、虫ピンのようなものを刺して、石膏ボードを貫通する場所を探す訳です。
ただ、おおよその感で、下地の骨組みのない場所は探せます。また、虫ピン程度の穴も空けたくないという場合は、センサーを使う方法もありますので、ご安心ください。
・ボードアンカーを打つ
ボードアンカーを打つ位置が決まったら、作業に入ります。ただ、ビニールクロスと違って、漆喰の壁は表面が硬いので、プラスチック製のボードアンカーではなく、金属製のボードアンカーをお勧めします。
ボードアンカーの取り付けは、電動のネジ回しとかではなく、設置場所に問題がないかどうか確認しやすい、普通のドライバーを使うことをオススメします。
・フックやネジをねじ込む
ボードアンカーの設置が終わったら、フックやネジを設置することが可能ですから、額縁用のフックを付けたり、タオルハンガー等のネジをねじ込めば、作業完了です。ボードハンガーは製品によって耐荷重が決められているので、壁に設置したい物の重さと、ボードハンガーの耐荷重を比較しながら、必要な個数のボードハンガーを取り付けると良いと思います。
下地の木部や鉄部を探して取り付ける
最近の住宅は木造であっても、鉄筋コンクリート造であっても、石膏ボードの下地は、必ずしも木材ではないという話をしました。
下地の骨組みは、91cm間隔で、柱が入っていて、45.5cm間隔で、間柱が入っていますが、その下地が、木材であっても、鉄製であっても、ホームセンターなどで簡単安価で入手できる「センサー」を使って、下地の在処を探すことが出来ます。
このセンサーを使えば、ボードアンカーを使う場合も、場所を間違えることがありません。
センサーを使って、下地の場所が特定できたら、木材であれば、釘か、ビスでフックでも棚板でも取り付けが可能です。ただ、釘よりも、ビス(ネジ)の方が、保持力が強いので、オススメです。
また、下地の骨組みが、軽鉄(けいてつ)と呼ばれる鉄製のものであれば、鉄板ビスと呼ばれる金属用のビス(ネジ)を使う必要があります。
マンションの壁下地は、軽鉄かコンクリート
マンションの多くは、鉄筋コンクリート造なので、隣家との界壁は、鉄筋コンクリートです。そして、自室の間仕切り壁は、軽鉄(けいてつ)と呼ばれる鉄製です。
軽鉄の場合は、位置を特定し、鉄板ビスを使えばOKですが、隣家との界壁は、鉄筋コンクリートですから、コンクリート用のビスを使わないと取り付けが出来ません。
ただ、界壁のコンクリートに直接、漆喰等を塗って仕上げているケースというのは稀なので、普通は、コンクリートの壁に、直接、石膏ボードを取り付けています。そこで、界壁の石膏ボードにフックやビスを設置する場合は、ボードアンカーを使った方が無難です。
というのも、コンクリートの壁と、石膏ボードの間には、5cmとか10cmといった隙間が空いているので、釘やビスがコンクリートまで届かないからです。
壁に穴をあけない方法もある
石膏ボードにフックやネジを取り付ける際、ボードアンカーを使うと、1cmほどの穴が空きます。また、下地の木部や鉄部を探して、クギ、ビス(ネジ)等を打つ場合も、それなりの穴が空きます。もし、取り付けたい物が、ポスターとかカレンダーといった程度の軽い物であれば、画鋲とか虫ピンで良いと良いと思います。
画鋲とか虫ピン程度の穴なら、目立ちませんし、後日補修する場合も簡単に出来ます。
多少重みがあるけど、軽いものなら、石膏ボード用ピンを使うという方法もお勧めです。こちらは、2本とか3本の虫ピンが「交差」することで、石膏ボードに「食いつく」ので、多少重たいものを設置しても落ちてきません。
それに、設置したものを取り外しても、虫ピン程度の小さな穴ですから、目立たないし、補修も簡単です。指先で、こするだけで分からなくなると思います。
まとめ
漆喰の壁に、フックやビスを取り付ける場合は、ボードアンカーを使う方法、下地の骨組みに打ち付ける方法、石膏ボード用ピンなどを使う方法があります。設置したい物の重さに応じて、オススメの設置方法が変わります。
軽いもので、一時的なものであれば、石膏ホード用ピンや虫ピン、画鋲等がオススメですが、ある程度重たいもので、位置も固定なら、ボードアンカーか、下地の骨組みへの設置をおススメします。
多少難易度が上がりますが、十分DIYで出来るレベルです。
漆喰製品の仕上げの厚みは、1mm、2mmです。また、下地は、石膏ボードであることが多いので、軽いものなら、石膏ボード用の対応、思いものなら、下地の骨組みに対応するという考えで良いと思います。
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁「漆喰美人」の仕上げも1mmを基本としています。フックやネジの取り付け方は、一般的な漆喰と同じです。
よくあるご質問
漆喰にフックやネジは取り付けできますか?
はい、取り付け出来ます。漆喰といっても、ほぼ100%下地は石膏ボードです。下地の骨組みに取り付けるか、ボードアンカーを使う、石膏ボード用ピンを使うといった各種の方法がありますので、本文をご参考ください。
漆喰にフックを付けると、漆喰が落ちてきませんか?
漆喰とは、下地の石膏ボードなどの上に、1mm程度の厚みで塗られた仕上げ材です。フックを付けたことで漆喰が落ちてくることはありません。問題は、しっかりと、下地の石膏ボードにフックが固定されていることです。
漆喰の下地が土壁ですが、フックは付けられますか?
漆喰の下地が、伝統的な土壁の場合は、骨組みの木部を探して、その場所にクギとかネジを取り付ける以外に、フックを取り付けることは出来ません。下地がない箇所に取り付けると、100%落ちてきますし、漆喰の壁も崩れてきますので、注意が必要です。
下地の骨組みを継がす方法を教えてください
下地の骨組みは、木材の場合と鉄製の場合があります。どちらであっても、ホームセンターで、下地をチェックできるセンサーが安価で売られているので、そのセンサーを使えば、簡単に、下地の骨組みの位置を探すことが可能です。
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