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漆喰はローラーで塗る方法、メリットデメリットを解説

2021/10/27
2022/07/13

漆喰とは?

漆喰は、消石灰にのりやスサといったつなぎを入れた塗り壁材です。平安の時代からあり、また、耐火性があるため戦国時代には、城の内外に使われました。

当初は、防災を目的とするものでしたが、白い壁の意匠性が好まれ、一般市民にも広まり、現代に引き継がれています。和室のイメージが強いですが、最近では様々な色も選べ、洋風のリビングなどにも広く使われるようになりました。また、漆喰は耐水性があるので、壁や天井といった内装にとどまらず、外壁にも使われます。

アトピッコハウスの「漆喰美人」は、調湿性の高い漆喰調に仕上がる塗り壁ですが、8色のカラーバリエーションがあります

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花の塗り壁 漆喰美人

漆喰の施工は難易度が高い

自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤です。
漆喰は、プロの左官職人さんが何年も修行して、やっと施工できる難易度の高い塗り壁です。強アルカリ性であることから、石膏ボードの上に直接塗ることは禁止されています。必ず、下地処理が必要です。

ひと昔前は、下地の壁が土壁だったので、下塗り、中塗り、仕上げ塗りと、何段階にも分けて、左官職人さんがコテを使って塗っていましたが、現在の住宅の下地は、ほぼ100%石膏ボードなので、石膏ボードに下塗りし、その後、漆喰を仕上げ塗りします。

丁寧な施工が必要とされるため、一般的に漆喰を含む塗り壁材は高いという印象があります。

>>漆喰の価格は、安いか高いか?は、こちらの記事でもご紹介しています

最近では、DIY用の漆喰も販売されていますが、それはあくまでも、コテを使って壁や天井に塗るものですから、簡単とは言えません。

しかし、塗料(ペンキ)のようにウールローラーを使って塗れる漆喰塗料というのも販売されています。とはいえ、塗料(ペンキ)とは違うので、ペンキを塗るよりは難しいようです。

漆喰の長所とは

漆喰の長所と言えば、余分な湿気を吸収、吐き出す、を繰り替えす調湿機能や、消臭効果が有名です。不燃性であることから耐火性にも優れています。

左官職人さんが仕上げるコテ跡は唯一無二で、見た目にも上品です。
また、漆喰は時間が経っても劣化しません。

>>コテで仕上げる漆喰のパターン例はこちらの記事でご紹介しています

ローラーで塗れるのは左官材ではなく塗装

ローラー

漆喰の長所は左官材として仕上げる場合のものです。

ローラー仕上げ出来る漆喰というのは、塗料(ペンキ)に近い製品です。なので、左官材としての漆喰とは内容成分が変わります。

漆喰は、土壁や石膏ボードの仕上げ材として、1mm程度の厚さで塗るものです。しかし、塗料(ペンキ)はというと、0.何ミクロンという薄さで塗っていきます。

1ミクロンが、1mmの1000分の1ですから、0.何ミクロンというと、数千分の1mmといった厚みにしかなりません。

ローラーで塗れる漆喰の場合は、それよりは厚みが厚いとは言え、やはり漆喰よりは、ペンキのような塗料に近い製品ということになります。

それでも、コテで塗る漆喰と違って、塗料の漆喰は圧倒的に塗りやすいと言えます。ただし、ペンキに近い塗料であるため、漆喰の持つ調湿性能とか、消臭性能といった機能性は、それほど期待できないと言えます。しかし、初心者なのでDIYで手軽に漆喰を塗装したいという用途の場合は、1つの選択肢になると思います。

アトピッコハウスの「漆喰美人」も、コテで塗る左官材なので、ローラーでは塗れません。ただ、本物の漆喰よりは簡単に施工できますし、DIYも可能です。

漆喰よりも施工性が良い「漆喰美人」の詳細は、こちら

花の塗り壁 漆喰美人

漆喰をローラーで塗るメリットは?

ローラーで塗れる漆喰塗料は、コテで塗る通常の漆喰よりも価格が低く抑えられているようです。またローラーで塗装する作業は、コテを使って塗るよりも簡単なので、DIYで手軽に漆喰を塗りたいという場合は、使いやすいと思います。

コテで塗りつけるタイプの漆喰は粉状のものをかくはんして材料を作る所から始まります。比べて、ローラーで塗るタイプの商品は液状で、ローラーに含ませて塗装していくので、施工が手軽です。

コテを使って均一な厚みを出すことは難しいですが、ローラーであれば比較的手軽に簡単に行えます。

また、丁寧な下地処理が必要で、下地によっては施工できない本来の漆喰に比べ、液状タイプの塗装商品は石膏ボードや、ビニールクロスだけでなく、コンクリートやモルタルにも施工が可能で、和室に多い砂壁にも下地処理をすれば塗れるというものもあるようです。

また、施工面積当たりのコストを抑えられ、本来の漆喰に比べ必要な用具も少ないためDIY初心者にも手軽に使える商品であるといえます。

漆喰をローラーで塗るデメリットは?

ローラーで施工する場合は、コテで施工する時のような模様を付けることはできません。漆喰に模様をつける場合は、ある程度の塗り厚が必要になるからです。

左官材の漆喰はコテで仕上げる風合いが雰囲気を作ってくれますが、ローラーで仕上げる液状タイプの漆喰はペイントに近いのでどちらかというと塗料(ペンキ)のような均一な仕上げになります。

コテで塗る通常の漆喰の場合でも、標準は、1mm厚なので、はっきりとした質感のある模様は出来ません。もし、漆喰で、はっきり、くっきりした模様を付けたい場合は、3mmも4mmも塗らないと難しいです。

しかし、厚塗りすると、ひび割れやクラックが発生することがあり、また、ローラーで塗る漆喰と比較すると難易度は、ぐっとアップします。

また、塗料の場合、手軽に使えるように材料が構成されているので、成分として漆喰が持つ調湿性能や、ダニやカビの抑制などはあまり期待できないと思います。

漆喰塗料をローラーで塗る方法

ローラーで塗れる漆喰塗料を使って、壁・天井に漆喰を塗る場合であっても、床の養生とか、塗る面のマスキングといった作業は省略できません。また、ローラーで漆喰を塗装したとしても、建具や窓の周辺部は、ハケや筆を使って、整えないと、綺麗に仕上がりません。

手順としては、床や家具、建具の養生をする
漆喰を塗る面にマスキングテープを張る
ローラーで塗れる漆喰を塗る

という流れになります。

使用するローラーはホームセンター等で入手できますが、高粘度塗料用のウールローラーで「中毛」のものをお使いになると良いと思います。ローラーの種類によって、表面の仕上がりも変わるので、何種類か購入されて、お試しになると良いと思います。

作業後や、作業を中断する場合は、ローラーを水につけておくか、ラップ等で包んで、空気を遮断しておく必要があります。漆喰が付着したまま放置しておくと、再び使えなくなることがあります。

左官材の漆喰に比べ施工は手軽ですが、砂壁や京壁といった壁をリフォームしたいという場合は、適切な下地処理が必要になり、難易度が上がりますので、プロに工事を依頼することも含めて検討されると良いと思います。

アトピッコハウスの「漆喰美人」も、下塗りが必要です。アク止め効果の高い「下塗革命」という専用の下塗り材をご用意しているので、難しい下地でも、比較的工事は簡単です。

アク止め効果の高い専用下塗り材がある「漆喰美人」の詳細は、こちら

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ローラーで塗れる漆喰に調湿性能は期待できるの?

コテで塗る漆喰の場合、仕上がりの厚みが1mm程度であると言いました。またローラーで塗れる漆喰の場合は、ペンキよりは厚いとしても、1000分の1mmの可能性もあります。コテで塗る漆喰の場合、普通に、1mm塗っても、調湿性能は、1㎡あたり40g程度です。

調湿性能に関しては、JISに規格が定められており、1㎡あたり70g以上調湿しないと調湿建材とは言えないことになっています。

1mmでも40g程度なのですから、ローラーで塗れる漆喰が1000分の1mmだとすると、調湿性能も1000分の1だと、0.04gしか調湿しないことになります。ローラーで塗る漆喰のデメリットとしては、調湿機能が、限りなくゼロに近いことです。

それで、漆喰とほとんど変わらない調湿性能があるということを主張している方もいますが、かなり無理があると思います。また漆喰は、強アルカリ性だから、抗菌性能とか、ダニ・カビを抑制する力があると言う方もいますが、それも無理があると思います。

漆喰の調湿性能、抗菌機能等は、最低1mm以上塗っての話です。ローラーでミクロン単位の厚みで漆喰を塗っても、コテで塗る漆喰と同程度の「効果」があると主張するのは無理があるし、効果を期待するのも、ちょっと期待し過ぎだと思います。

とはいえ、呼吸しないビニールクロスを貼るよりは、たとえ薄塗りの漆喰であっても、健康的で快適な室内空間になると思います。

調湿性能が優先事項であれば、珪藻土がオススメです。

アトピッコハウスの「漆喰美人」は、一般的な漆喰の2倍以上の調湿性能があります。消臭性能は珪藻土以上なので、調湿性能と消臭性能を期待される方にオススメです

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DIYにおすすめのローラー

ローラーで塗れる漆喰をDIYする場合は、高粘度塗料用のローラーがおすすめであるとご紹介しましたが、さらに言うと、「中毛13mm」がオススメです。また、凹凸の大きいビニールクロスなどに塗る場合は、中毛よりも、「長毛20mm」の方が綺麗に仕上がるので、おすすめです。

中毛の種類のローラーを使用すると、凹部分に漆喰が入り込まず、ムラに仕上がることがあるからです。

まとめ

漆喰はコテで塗る塗り壁材です。プロの左官屋さんが何年も修行して、やっと塗れるようになる製品です。しかし、DIYのブームもあって、手軽にDIY出来る漆喰も普及してきました。それでも、基本はコテを使って塗るものです。

それで、1mm程度の厚みで塗るから、調湿性能とか抗菌性能があると主張できる訳です。

ローラーで塗れる漆喰は、施工が手軽で簡単、コストも抑えられ、一見よさげに見えますが、床や建具、家具の養生から、塗る場所のマスキング、作業が終わったあとの片付けといった一連の作業は、コテで塗る漆喰と同じです。

また、ローラーで塗れる漆喰の厚みは、ミクロン単位です。コテで塗る漆喰同様の調湿性能は期待できないことを理解しておく必要があります。

せっかく漆喰を施工するなら、成分や雰囲気も確認して、自分に合ったものを選んでくださいね。

アトピッコハウスの「漆喰美人」は、漆喰の2倍調湿する漆喰調に仕上がる塗り壁です。漆喰に調湿性能を期待される方には、オススメです

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よくあるご質問

漆喰美人の調湿性能を教えてください

漆喰美人の調湿性能は、94g/㎡/24hです。一般的に漆喰の調湿性能が40g程度と言われているので、漆喰の2倍程度の調湿性能があります。また、JIS規格では、70g以上でないと調湿建材と言えませんが、漆喰美人は94gなので調湿建材と言える製品です。

漆喰美人は消臭性能も高いと聞きました。本当ですか?

はい、本当です。漆喰美人は、消臭性能の高いモンモリロナイトを主原料にしています。また、加齢臭、介護臭にも効果があるタンニン酸を配合しているので、介護施設等にも利用して頂いています。

ローラーで塗れる漆喰にも調湿性能はありますか?

コテで塗る通常の漆喰は、1mm程度の厚みで仕上げます。それで、1㎡あたり40g程度の調湿性能しかありません。ローラーで塗れる漆喰の場合、漆喰の1000分の1程度ですから、残念なから調湿性能は、ほぼ期待できないと思います。

ローラーで塗れる漆喰は、簡単にDIY出来ますか?

通常の漆喰はコテで塗りますから、ローラーで塗れる漆喰のDIYは、通常の漆喰より簡単だと思います。しかし、現場の養生、マスキング、後片付けといった作業は、コテで塗る場合も、ローラーで塗る場合も同じです。

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アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
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