漆喰のメンテナンス、汚れの取り方
漆喰壁は塗り壁だから、メンテナンスが大変だと思われていますが、漆喰は硬く固まってボロボロしないので、意外と簡単にメンテナンスや補修も出来ますし、掃除も簡単です。
といっても、どんな時に、どんなメンテナンスが出来るのか、また、どうやって掃除したり、汚れを取れば良いのか分からないと思うので、汚れの種類や、漆喰の状態に応じた汚れの取り方、メンテナンス方法についてご説明したいと思います。
目次
漆喰とは
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤です。
昔ながらの本漆喰は、消石灰が原料の塗り壁材です。
消石灰だけでは塗り壁にならないので、「ふのり」と呼ばれる海藻糊や、「スサ」と呼ばれるツナギを入れています。
昔は、土壁に漆喰を施工していましたが、
現在は石膏ボードが下地になっていることがほとんどです。
石膏ボードなどの新建材に塗りやすいように加工しているものが、
現在流通している漆喰調の塗り壁材です。
ふのりやスサの代わりに接着剤を配合しているもの、
粘土など消石灰以外の素材でつくられているものなど、
漆喰調に仕上げられるものを指します。
漆喰壁の利点とは
耐久性や耐熱性に優れている漆喰は、昔から神社仏閣、お城など重要な建築物に使われてきました。
左官屋の技量がでる漆喰壁は、
パターンをつけた際の陰影、高級感を演出でき、デザイン性も楽しめ人気があります。
珪藻土同様、空気を吸って吐くという調湿性能に優れているため、自宅の室内環境を良好に保てます。
消臭性能を付加した商品など機能性に優れた漆喰も流通しています。
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁材「漆喰美人」は、抗菌・消臭・防腐効果のあるタンニン酸を加えました。
ポリフェノールの一種であるタンニン酸の最大の特徴は、一般の消臭剤では除去できない加齢臭を、
化学薬品を使わずに消臭する効果が期待できることです。
▶漆喰の2倍調湿し、消臭性能も高い「漆喰美人」の詳細は、こちら
漆喰壁は一般的なビニールクロスに比べると、工事日数が必要です。
そのため、工事日数は高くなる傾向があります。
漆喰壁のメンテナンス
漆喰壁のメンテナンスというと、ホコリや汚れ落とし、日ごろの手入れといった簡単な掃除から、カケ、崩れ、剥がれの直し方といった少し難易度の高いものまで、さまざまです。
新築で漆喰を塗る場合と、リフォームで漆喰を塗る場合では、手順も違いますし、発生するトラブルも少し変わってくるので、対処方法も変わります。
リフォーム特有のトラブル
ブロに漆喰の工事を依頼した場合、塗る場所に適した下地処理を実施してくれますから、特に心配がないのですが、DIYで施工するとか、下地処理の重要性を甘く考えていると、塗った漆喰が剥がれてきたり、浮いてくるといったことが起こります。
一番心配なのは、ビニールクロスの上から漆喰を塗る際、タッカーやメッシュテープを省略することにより、漆喰が薄いてくることです。これは、そもそもの工事の失敗なので、こちらでは、詳しく触れませんが、深く知りたい方は、こちらが参考になります。
ここでは、キチンと塗られていることを前提として発生する汚れやキズ等のメンテナンスについて紹介していきます。
漆喰のふだんのお掃除方法
漆喰壁は、静電気が発生しにくいので、ホコリが付着しにくいですが、
家電周りや家具の裏側はホコリがたまることがあります。
ホコリおとしは、はたきがけ、掃除機で吸い込むだけでOKです。
ホコリを媒介としてカビ汚れ、黒ずみ汚れが付着することがあるビニールクロスは、
年数が経過すると薄汚れてしまいますが、
漆喰は経年劣化せず、味わい深い表情になっていきます。
ふだんのメンテナンスは、何もしなくていいというのが漆喰の良いところですし、
長く使えるので初期費用が高くても長い目で見るとコストパフォーマンスが高いと言えます。
それでは、漆喰の汚れごとのメンテナンス方法をご紹介いたします。
漆喰の壁、汚れの落とし方
まずは、漆喰に付着した汚れに関してですが、汚れの種類によって、落とし方も変わってきます。また、血液、油、キッチンの油汚れ、トイレの尿はね、タバコのヤニ汚れ、絵の具、黒カビなども難易度ランキングの高い汚れです。
表面に付着したホコリ程度なら、ハタキをかける程度で済みます。しかし、水分を含んだ汚れは、漆喰内部に染みこみますので、表面を拭いた程度では取れません。また、室内拭き用洗剤でゴシゴシこすることが、できません。
ただ幸いなことに、漆喰は硬く仕上がるので、「水拭き」が可能だという点です。といっても、注意しないと、表面の風合いが変わったり、かえって汚れを広げることになります。
目立たない場所から、少しづつダメージの少ない方法で、メンテナンスされることをお勧めします。色が入っている茶色とか黒といった漆喰よりも、ホワイトの漆喰の方がメンテナンスは簡単です。
アトピッコハウスの「漆喰美人」は、硬く仕上がってボロボロしないため、メンテナンスが簡単です。とはいえ、仕上がりにダメージを与えにくい方法から試した方が良い点は、通常の漆喰と同じです。
▶メンテナンスしやすい漆喰調塗り壁「漆喰美人」の詳細は、こちら
漆喰壁の汚れの取り方
・表面的な汚れの取り方
壁をこすったり、手あかを付けたとか、原因不明だけど、なんとなく部分的に薄汚れてきたなと感じたら、まずは、消しゴムを試してみてください。漆喰は硬く仕上がるので、エンピツ、クレヨン等を含めて、案外消しゴムで簡単にきれいになる可能性があります。
落とし方の注意点としては、奇麗な消しゴムを使うことです。消しゴムそのものが汚れていたら、かえって、漆喰を消しゴムの汚れで汚くしてしまうことになります。
・少し染み込んだ汚れの取り方
マジックや絵の具といった水分を含んだ汚れは、激落ちくんなどのメラミンスポンジで落ちる場合があります。ただし、メラミンスポンジは表面を削り落としますので、奥深くまでしみ込んでいる場合は、深くまで削りとらないと、汚れは落ちません。
メンナンスしたい箇所のテクスチャが変わりますので、汚れが取れても、補修した跡を分からなくすることは出来ません。
また漆喰表面の汚れを削り落とす方法としては、目の細かいサンドペーパーを使って補修したい箇所を磨き上げる方法です。サンドペーパーは120番から240番程度のものがオススメです。サンドペーパーはホームセンターで購入できます。
・原因不明のシミの落とし方
黄ばみや経年変化による変色は、落ちないかも知れませんが、コーヒーのシミほか原因不明の漆喰壁のシミ汚れは、ハイターなどの塩素系漂白剤で落とせる可能性があります。また、クエン酸(食酢)で落とせる可能性もあります。やってみようという場合は、まずは、クエン酸から挑戦し、ハイター等の漂白剤に移行されると良い思います。
また漆喰と接する内装の木部のシミは別の方法で対処可能です。
まずクエン酸を試される場合は、布にクエン酸を含ませて、汚れた箇所をポンポンと叩きながら、クエン酸をしみこませて、しばらく様子を見ます。それで取れたら、今度は水を含ませた布で、同じ作業をし、クエン酸の濃度を薄めます。
もし、ハイター等を試される場合は、原液で使わず5倍提示に希釈し、スプレーするか、クエン酸と同様に、布に含ませて、ポンポンとやってみることです。それで、薄くなったら、今後は、水を含ませた布でポンポンとやって、ハイターを拭きとるイメージです。
※消石灰が主原料の漆喰はアルカリ性ですので、酸性の洗剤は使用しないで下さい。
・黒カビなどの対処方法
カビは、表面だけというのはなく、漆喰の奥深くまで入っていることの方が多いので、表面だけ対処しても、キレイになりません。まずは、ハイター等の漂白剤で、漂白し、再びカビが生えてこないよう、エタノール(消毒用アルコール)等で、滅菌しておくことをお勧めします。
・外壁、水回りの対処方法
外壁や水回りに使われた漆喰なら、クエン酸、漂白剤、ハイターにしろ、比較的思い切って試して良いと思います。換気の問題を気にすることもないし、あとで、バシャバシャと水をかけて、クエン酸とか漂白剤、ハイターの成分も落とせますから、壁に余計な成分が残ることを気にする必要もありません。
漆喰壁の補修、塗り直し
漆喰壁の表面を少し削る程度では、キレイにならない場合は、思い切って塗り直すという最終手段が考えられます。その場合も、部分的に塗り直すか、壁の1面全部を塗り直すという方法が考えられます。
漆喰が欠けたとか、補修のため削っていったら、傷が深くなって、かえって目立つとか、テクスチャが変わって、気になるといった時ですね!
漆喰は、部分補修も可能です。しかし、同じ色の漆喰で補修しても必ず補修箇所は目立ちます。盛り上がったり、色が微妙に違ったり、テクスチャも同じになりません。
もし、補修した箇所が目立たないようにしたいということであれば、最低、補修したい壁1面全部を塗り直す必要があります。そうすれば、キレイになりますが、費用も、その分かかります。
放置するという対処方法
漆喰は塗り壁ですから、欠けることも、汚れることもあります。クロスの場合も、汚れますし、破れます。
人が暮らしていれば、建物の内装は痛みが出てきます。しかし、汚れや傷も、時間の経過と共に気にならなくなりますし、建物になじみ、味に変わっていきます。
大きく漆喰が剥がれてきたり、崩れてきたという場合は、放置という訳にも行きませんが、ちょっとした傷や汚れなら、放置しておくという選択肢もあって良いと思います。
ずっと傷も汚れも発生しないということは、ありません。
傷も汚れも、家族の歴史として一緒に育っていって良い気がします。
まとめ
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁「漆喰美人」は、漆喰調に仕上がる塗り壁材です。原料は消石灰ではなく、化粧品などの原料にも使われる消臭性能の高いモンモリロナイトが主原料です。メンテナンスに関しては、他の漆喰と同様です。
漆喰美人の調湿性能は漆喰2倍以上、カラーバリエーションは、8色。
消臭性能が高く、硬く仕上がるので、ホロボロしません。
部分補修も可能ですが、やはり、部分補修をすると、補修した箇所が目立つことは、一般的な漆喰と同じです。
よくあるご質問
漆喰の汚れは自分で取れますか?
特別な道具を準備しなくても、ご自宅にあるものでメンテナンス可能な汚れもあります。簡単な汚れであれば、消しゴムで落ちる可能性がありますし、メラミンスポンジやサンドペーパーも使えます。ただし、表面を削り落とすと、テクスチャが変わりますので、メラミンスポンジやサンドペーパーは目立たない箇所でテストすることをお勧めします。また漂白剤なども効果があります。消石灰が主原料の漆喰はアルカリ性ですので、酸性の洗剤は使用しないで下さい。
漆喰は、部分的な補修が出来ますか?
漆喰は硬く仕上がるので、部分的な補修も難しくはありません。ただ、部分的な補修は、プロが工事しても、完全に補修箇所を目立たなくすることは出来ません。補修しないで経年変化の風合いを楽しむという選択肢があっても良いと思います。
補修すると、漆喰の性能が下がりますか?
漆喰の調湿性能は、仕上げの厚みに正比例するので、厚く塗ると、調湿性能はアップすると考えられます。ただし、標準的な塗り厚以上に塗ると、ひび割れ等が発生する可能性が高くなります。補修する際には、メーカーの施工手順に従いましょう。
工事は、プロに依頼した方が良いですか?
簡単なメンテナンス、補修であれば、自分でDIYで十分だと思います。また仕上がりの美しさを問題視しないのであれば、DIYで良いと思います。ただ、補修したあとが分からないような補修を希望される場合は、プロに依頼することをおすすめします。
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