織物クロスとビニールクロスの施工方法の違いとは?
家の中の壁紙は、何からできているのか?
考えたこともない人が多いのではないでしょうか。
家を建てる時や、リフォーム工事の時、
業者がすすめるクロスを何となく選ぶ方が多いと思います。
ビニールクロスが標準仕様のリフォーム会社がほとんどですから、
織物クロスや自然素材のエコクロスの現場経験のない職人さんが増えています。
当社が扱っているような自然素材の織物クロスを採用したいと業者に伝えると、
やったことがないから工事ができないと断るケースもあります。
では、織物クロスの施工ってそんなに難しいのでしょうか?
アトピッコハウスには、「すっぴんクロス」という名前の織物クロスがあります。
こちらは、本物の「布クロス」です。
目次
クロス施工の手順、流れとは?
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの内藤です。
壁紙の張替え施工をする際の手順は大まかに以下の通りとなります。
クロス施工の手順1:既存の壁紙をはがす
まずは既存の壁紙を剥がします。古い壁紙は捲れたり汚れたりしている場合があり、その上に新しい壁紙を貼るとはがれやすくなってしまうので基本的に剥がします。
壁紙を剥がす前にコンセントや 電気のスイッチなどの付属品を外しておくとクロスを剥がしやすいです。
壁紙にはクロス同士の継ぎ目があるので継ぎ目の隙間にカッターを差し込みめくってはがしていきます。
壁紙の裏紙が残りますが、新しい壁紙を糊付けする際に裏紙があった方が密着するのでできるだけ裏紙が残すようにはがしていくのがおすすめです。
クロス施工の手順2:下地処理をする
壁紙を剥がした際に裏紙が残ったり段差が出た場所や、ビス穴などにパテ処理をします。継ぎ目部分にパテを塗り付ける、またビス穴をパテで埋めることで下地を平に整えます。
さらにパテが乾燥してからサンドペーパーなどで削り表面を平滑にします。
張り直しでなくて、新規のボードであっても下地処理は重要です。新規のボードには継ぎ目やビス穴が露出している状態で、そのまま壁紙を貼れば継ぎ目の隙間や段差、ビス穴の影響を受けてしまいます。
せっかく貼った壁紙の破れやゆがみを解消するためにも下地処理は大切な作業となります。
特に織物クロスや紙クロスは丁寧な下地処理が必要な壁紙となります。
クロス施工の手順3:クロスを施工する
壁紙の貼り方には重ね貼りと突き付け貼りがあります。
重ね貼りは壁紙を重ねて貼り、重なった部分をカットするという方法です。柄のある壁紙の場合、重ね貼りすることで柄をキレイに合わせることができます。
突き付け張りとは壁紙の端同士を合わせて張る手法です。少しのずれも許されないため難しい作業方法です。
ただ、重ね張りのように下地までカットしてしまうというリスクはないため、壁紙が切れて捲れてしまうということにはなりません。
▶すっぴんクロスは、織物クロスなので、突き付け貼りを推奨しています。
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違いとは?
織物クロスは丁寧に施工をしていただきたい商品ですが、
工事手順はそんなに難しいことはありません。
ビニールクロスと比べて注意したい施工方法の違いを4つのポイントに分けてご紹介します。
・糊の種類と量
・オープンタイム
・貼り方
・汚したら張替えになる
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違い①糊の種類と量
織物クロスは糸と糸を織っているため隙間があり、
透湿性が高いです。
そのため、下地の匂いや糊の匂いを通しやすいです。
匂いがきつい糊を使ってしまうと、
部屋中に充満してしまうので気を付けたいです。
無臭に近いものを選ぶことが重要です。
そのため、糊は壁紙メーカーが推奨しているものを使用して頂くのがおすすめです。
糊の量も気を付けましょう。
ビニールクロスは、薄いし扱いやすいので
糊の量はそんなに多く必要ありません。
織物クロスは、厚みがあるため
濃い糊を適量で使用することが重要です。
糊の量は、ビニールクロスと同じ感覚で工事をしてしまうと、
壁紙がはがれやすくなるなど、リスクがあります。
また、糊をつける際に壁紙を強めに折ってしまうとシワになってしまいます。
一度壁紙にシワがつくと元に戻らないので気を付けましょう。
アトピッコハウスの「すっぴんクロス」には、食品由来成分で出来た専用糊「こむぎちゃん」があるので安心です。
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違い②オープンタイム
オープンタイムとは、壁紙に糊付けをしたあと、糊が壁紙になじむまでの時間です。
織物クロスの場合、オープンタイムは5~10分です。
糊をつけおきすると、「アイハギ」を起こしてしまいますので、
ビニールクロスと同じ感覚で、つけおきすると、
アイハギを起こして使い物にならなくなってしまいます。
アイハギとは糊をくっつけた裏紙同士がくっついてしまうこと。
ビニールクロスは糊付けをしてから畳んで置いておいても
アイハギになることはありません。
織物クロスの場合、壁紙に糊をつけたら、長い時間放置せず、
作業をしていくことをおすすめします。
糊をつけたら、長い時間放置せず、
壁にサクサク張りましょう。
壁にすぐに張ってしまえば、余計なシワもつきません。
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違い③貼り方
ビニールクロスは、端と端が重なる重ね張り(あい裁ち)が一般的です。
ジョイントするクロスの端を数センチ重ねて切ってから、切れ端を抜き取ってつなげます。
織物クロスの施工は突き付け張りが好ましいです。
理由としては、重ね裁ちでは下地を傷つけたり、
織物がほつれたり、
繊維がカッターに引っ張られ、柄がゆがむからです。
継ぎ目のおさめかたも重要です。
ハンドローラーでおさえる際に力を入れすぎてしまうと、
織物がつぶれて光って見えてしまい、
継ぎ目部分が目立ってしまいます。
織物の風合いを損なわないよう、気を付けて丁寧に施工することが大事です。
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違い④汚したら張替えになる
織物クロスとビニールクロスの張替えの施工、どちらにもいえることですが、
汚さないように最後まで気を抜かずやることが大切です。
織物クロスの場合、手垢やホコリを作業中につけてしまうと、
綺麗にするのが困難です。
汚れがとれなければ、最悪張り直しになります。
壁紙をゴシゴシこすることは繊維がキズつくので厳禁です。
また、施工後のコークボンドでの作業も禁止です。
壁紙の表面にコーキングをつけると、汚れてしまうし、
織物がコーキングを吸い込み変色してしまいます。
コーキングは壁紙の内側に使用するようにしましょう。
ビニールクロスと織物クロスの張替え費用の相場
クロスの表示単価
まずは1,200円/㎡と表記されるのは、平米単価です。
次に1,200円/mと表記される「メートル単価」についてですが、壁紙は0.9m幅のロール状になっていて、そのロールから1m取り出した単価がメートル単価となります。
メートル単価 = 0.9㎡あたりの単価となります。
つまり、平米単価よりも、メートル単価のほうが安く見えますので、表示「メートルm」か「平米㎡」のどちらで単価が表示されているか確認しておきましょう。
クロスの工事料金相場(材料代+工事費用)
量産品ビニールクロス6畳部屋の張り替え費用は、3~5万円ほどです。
ビニールクロスでも、ハイグレードクロス(1000番台クロス)は、単価が1000円を超えて高額になりますので、
品質によって金額は上下します。
アクセントクロスを入れるなど、別素材を使用する場合も価格が高くなる場合がありますので、
なるべく同素材でそろえた場合が、安くできる可能性があります。
織物クロスで6畳部屋の張替え費用は、6万~10万円ほどです。
織物クロス(布クロス)に関しても、素材や品質によってかなりの価格差がでることがあります。
クロスの張替え工事日数
ビニールクロス、織物クロスいずれも1日~2日で工事が終わる場合が多いです。
◆工事の流れ(6畳部屋の壁と天井)
①養生作業
キレイに剥がれない場合が多いので、細かいゴミがたくさん出ます。床が汚れないように養生マットを敷いておきましょう。
②既存壁紙剥がし
下地を傷つけないように、丁寧にはがしていきます。
③下地処理(ジョイントパテ処理、補正)
新築・リフォーム現場に限らず、下地に石膏ボードを使用することが多いです。石膏ボードには継ぎ目やビスの跡がありますので、パテを使用し、平滑にする下地処理を行います。この下地処理を丁寧に作業しないと、シワができてしまいます。
④クロス貼り
壁紙の幅が均一なので、壁天井の終わりの位置に印をつけておきます。刷毛を使い空気を抜きながら一気に張っていきます。1日ほど乾燥させれば家具をいれられる状態になります。
⑤片付け
住みながらリフォームの場合、すぐに施主様に確認をしていただくので、キレイな状態で引き渡しできるようにします。
まとめ
ビニールクロスと織物クロスを比べても、施工方法に大きな違いはありません。
織物クロスの特性を理解し、丁寧に一つ一つの作業工程を行っていただければ、問題ないはずです。
アトピッコハウスの織物クロスは「すっぴんクロス」という名前です。
綿や麻の糸の織物でできているので、お部屋を優しい雰囲気を演出できるし、
ビニールクロスに比べ丈夫で長持ちします。
浴室以外のトイレや洗面所など水回りを含め、家中の壁天井に施工ができます。
自然素材は塗り壁だけではありません。塗り壁よりも価格を抑えて自然素材を取り入れられる織物クロスはおすすめです。
織物クロスで工事をしたことがないから、施工したくないという業者さんも
織物クロスの特性や施工方法を理解し、施工件数を増やして頂ければ嬉しいです。
まずは資料請求からお試しください。
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よくあるご質問
織物クロスはDIY施工ができるのか?
アトピッコハウスの織物クロス「すっぴんクロス」は、プロでも丁寧な施工が必要な商品となりますので、DIY不可となります。パテ処理などの下地処理から、専用の道具の準備、施工には熟練の技が必要です。
織物クロスとビニールクロスの違いは?
アトピッコハウスの織物クロス「すっぴんクロス」は、綿や麻などの織物に紙を裏打ちしたものです。糸と糸を織り上げているので、耐久性が高く簡単には破れません。空気を通さないビニールクロスに比べると、透湿性が高く、吸音効果も期待できるためおすすめです。
織物クロスのメンテナンス方法は?
静電気が発生しがたいので、ホコリやたばこのヤニなど、付着しにくいです。基本はノーメンテナンスでOKですが、お醤油やコーヒーなど濃い汚れがついてしまった場合、ゴシゴシと水拭きすると広がってしまいます。エタノール等で薄めるか、張替えをご検討ください。
織物クロスとビニールクロスの施工方法の違いは?
ビニールクロスは、端と端を重ねて張る重ね張りが基本です。重ねて張り、余分な箇所を切り取る方法です。織物クロスは、突きつけ張りが基本です。織物クロスは、ビニールクロスよりも厚いので、ビニールクロスより糊も多く使います。糊付け機に通したあと、放置しておくとアイハギになってしまうので、糊をつけたらすぐに貼っていくことが重要です。
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アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。