漆喰を選ぶ際の5つの注意点と知っておきたいこと
漆喰の壁というと、
お城やお寺の真っ白な壁をイメージする方が多いのではないでしょうか。
お住まいの外側、外壁材として漆喰はイメージできても、
室内の漆喰というとピンと来ないかも。
私なんかは、
昔話に出てくる茅葺屋根の白い壁を思い浮かべてしまいます。
ビニールクロスと比較して室内に漆喰を塗る選択をする人は、少数派と思いますが、
漆喰が昔から現代まで、無くならず世界中で使われてきたのには、
理由があります。
どんなことに注意をして漆喰を選んだらいいのか、
そもそも漆喰とはどういう性能があるのか、
漆喰選びのポイントをご紹介いたします。
アトピッコハウスには「漆喰美人」という漆喰調に仕上がる塗り壁がありますが、これは「消石灰」を使っていないので、厳密にいうと漆喰ではありません。ただし、漆喰よりも調湿性能、消臭性能に優れています。
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目次
漆喰の定義
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの山田です。
漆喰の意味を調べると、
「消石灰に麻糸などのすさ、フノリ・ツノマタなどの海藻糊を加えて水で練ったものです。」
と説明された情報を確認できます。
左官材料の収縮や、外部要因(振動等)などで起きるクラックを防ぐ役割がある繊維材を、
一般的にすさと呼びます。
漆喰のすさは、ワラや麻などの植物由来で、糊は海藻由来。
まさに天然の材料で作られているのが、昔ながらの「本漆喰」です。
現代、内装材として流通している漆喰は、
本漆喰ではなく、漆喰調あるいは漆喰風の商品です。
消石灰に海藻糊など自然のものを、
つなぎにしていた本漆喰と違い、
近年の商品は化学合成された糊が
使われているものが多いです。
漆喰のメリット・デメリットとは
漆喰は昔から重要な建築物に使用されていたり、
現在の住宅にも使用されています。
漆喰のメリット及び、デメリットとは、どのような特徴でしょうか?
漆喰のメリット
キチンと施工された漆喰は、耐久性があり、日常的なメンテナンスが
必要ないことから、ビニールクロスなどと比較しても、
出費が抑えられるというメリットがあります。
その他の漆喰のメリットとしては、次のようなことがあります。
- 調湿性能が高い
- 消臭効果がある
- 見た目の高級感
- 耐火性に優れている
漆喰のデメリット
漆喰にはひび割れるというデメリットがあります。
漆喰を施工する下地の状態や施工する環境の影響で、ひび割れが発生する場合があるのです。
また、地震や道路の振動等の影響により、建物が揺れることで、ひび割れが発生する可能性があります。
その他の漆喰のデメリットは、次のようなことです。
- 手間と時間がかかるため、工事費用が高額になる
- 調湿性能は珪藻土に叶わない
- 水拭きできない
漆喰の注意点1:本漆喰の調湿効果は期待ができない!?
漆喰は、機能性にも優れた内装材ですが、
なかでも調湿性能の高さも漆喰の長所です。
・漆喰は湿気の高い状態のときに、室内の湿気を吸う
・漆喰は乾燥している状態のときに、湿気を吐き出す
湿度コントロール機能に優れている漆喰は、
高温多湿な日本の気候にぴったりと言えます。
漆喰の特徴である多孔質な表面が調湿性能を発揮しますが、
多孔質の穴をふさぐ接着剤を使っている商品の場合、
調湿作用は残念ながら期待できません。
また、昔ながらの本漆喰も実は、調湿作用はそんなに期待できないのです。
なぜなら、昔の家は土壁であり、土壁の上に漆喰を塗っていたからです。
土壁+漆喰であれば、調湿性能に優れているかもしれませんが、
現代の家は、石膏ボードが下地となっています。
呼吸をしない石膏ボードの上に本漆喰を塗っても、調湿性能は期待ができないのです。
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁「漆喰美人」は、多孔質の珪藻土の穴を塞ぐ接着剤を使っていません。
結合剤に、にがりとマグネシアを使っているため、空気の出し入れができる多孔質な壁を作ることができるのです。
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漆喰の注意点2:技術がいるので、工事費用が高くなる
お城やお寺のようなツルツルとした漆喰塗りを
家の中で実現しようとなると、
よほど腕の良い職人さんでないと難しいです。
コテ跡を残さない平滑な仕上がりにするのは、
実は難しいのです。
手間暇がかかる分、工事費用も高くなります。
また、漆喰は下塗りを必要とする商品もあれば、
ビニールクロスの上に、そのまま塗ることができる商品もあります。
下塗が必要な漆喰の場合、
6畳の部屋であれば、
養生+下塗で1日
仕上げで1~2日必要です。
工事費用は確かに高額になりますが、
頻繁に塗り直すことが不要、何十年も使える漆喰は耐久性に優れています。
長く見ると、ビニールクロスよりも長く使えて経済的です。
漆喰の注意点3:ひび割れが起こる可能性がある
漆喰の性質として、柱周りなど凹凸のある場所はヘアークラックと呼ばれる、
ひび割れが起こる可能性があります。
インターネットで、「漆喰デメリット」と検索すると、
ひび割れとか崩れるとか、情報を多く目にするので、
ボロボロと崩れたり耐久性が良くないと誤解している方も多いと思います。
ひび割れが起こる要因としては、
下地調整がうまくいってないことがあげられます。
窓周りや柱周りなど、下地処理を丁寧に行うことが必要です。
また、地震や大規模工事に発生する振動など外的要因によっても
起こり得ます。
ただし、ヘアークラックと呼ばれる細いひび割れは、
日常的に開け閉めをする扉や窓周辺などで発生するので防ぐのは難しいです。
漆喰の性質としてクラックは、できて当たり前くらいの気持ちで、
おおらかに受け止めて頂きたいところです。
ひび割れのリスクを最小限に抑えるには、
下地処理から仕上げ塗りまで、正しい施工手順を守ることが必要ですが、
もし、ひび割れが発生してしまっても、
残った材料で補修することも可能です。
アトピッコハウスの「漆喰美人」は、マグネシアとにがりの働きにより、硬く固まってボロボロしません。また、乾燥するときにも収縮しないので、ひび割れや、ヘアークラックが起こりにくい製品です。
漆喰の注意点4:カビが生えないわけではない
本漆喰は、強アルカリ性だからカビが生えないと言われたり、
ウイルス対策になるという認識の方もいると思いますが、
施工直後は、強アルカリ性ですが、
その後、5年ほどで中性化するので、条件によってはカビが生えることがあります。
天守閣修繕をした姫路城を見て
真っ白すぎてビックリした方もいると思いますが、
修繕前の見慣れていた色はカビです。
本漆喰は時間が経てば、
成分が変わりカビが生えます。
本漆喰以外の漆喰調の商品であっても、
高湿度など、環境によってはカビが生えることもあります。
漆喰の注意点5:漆喰調商品は、自然素材100%ではないものもある
子供のため、家族のためにいいものを使いたい。
体に優しいものをつかいたい。
化学物質は排除したい。
自然素材100%のものを使いたいというのであれば、
そういうものを選ぶべきですが、
金額は高くなります。
いいものでできていたら、当然金額は高くなります。
自然素材100%のものは扱いが難しいし、
技術も必要となるので、
工事費用も高くなるのです。
漆喰は左官材だけでなく、
漆喰風クロスや漆喰風の塗料などもあります。
漆喰風クロスは壁紙に漆喰をコーティングしているクロス、
漆喰風塗料はいわゆるペンキです。
左官材の漆喰に比べ施工が簡単なので費用を抑えられ、
見た目は漆喰のように仕上がるかもしれませんが、
自然素材でできているものと違い、漆喰の持つせっかくの
効果・効能が生かせません。
漆喰と名前がついていても、安ければ注意が必要ということです。
漆喰のお手入れ方法は?
壁の汚れとしてビニールクロスの黒ずみや、ベタつきが挙げられますが、
この汚れの原因は静電気です。
ビニールクロスは静電気が起こりやすいため、
ホコリを寄せ付け黒ずみやベタつきを発生させます。
しかし、漆喰は静電気が起きにくいのでホコリやゴミなどを
付着しにくいのです。
水分が苦手な左官材はビニールクロスの様に水拭きができませんが、
ちょっとした汚れなら消しゴムで落とせます。
お醤油など色の濃いものが長時間付着してしまうと
落としにくくなりますが、その場合もキッチンハイターなどを
薄めたもので多少薄くすることはできます。
漆喰でDIY、危険性はある?
漆喰が目に入ったら失明するって本当?
本漆喰の材料には消石灰が使われており、
消石灰は強アルカリの性質を持ちます。
消石灰は学校のグランドのライン引きの
原料として使われてきましたが、
失明の可能性があるということで
その後、炭酸カルシウムなどが使われるようになっています。
現在の漆喰風商品は消石灰を使うものはほとんどないため
安全性は高くなっていますが、
DIYで施工する際にはゴーグルなどを使用するといいと思います。
漆喰で施工して火傷する?
本漆喰の原料は強アルカリであるため
素手で触るとやけどをする可能性はあります。
消石灰の強アルカリが皮膚を溶かし、
やけどのような症状を起こす、これが化学火傷です。
現在、漆喰風の塗り壁に使われているのは
安全性が高いですが、DIYの際にはやはり手袋を
するなどして直接触らないようにしましょう。
まとめ
漆喰と一口に言っても、昔ながらの漆喰と漆喰調の商品があり、
成分や原料も商品によって異なります。
漆喰を選ぶ際の注意点はいろいろありますが、
当社の漆喰調塗り壁材「漆喰美人」は、
モンモリロナイトという粘土が原料です。
接着剤は使っておらず、
「にがり」や「マグネシア」で固めます。
自然素材でできた「漆喰美人」は、本漆喰の2倍調湿効果があり、消臭効果もある優れものです。
今の漆喰と昔の漆喰の注意点を理解し、商品を選んでみてくださいね。
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よくあるご質問
漆喰の家のメリット・デメリットは?
漆喰の壁を採用した家にする場合のメリットは調湿性能が高い、消臭効果がある、見た目の高級感、耐火性に優れているなどがあります。デメリットとしては手間と時間がかかるため、工事費用が高額になる、調湿性能は珪藻土に叶わない、水分に弱いため水拭きできないというところが挙げられます。アトピッコハウスの漆喰風塗り壁漆喰美人は本漆喰の2倍の調湿性能があります。
漆喰の耐久性が心配です。ヒビが入ってボロボロ崩れることはありますか?
アトピッコハウスの 漆喰調塗り壁材「漆喰美人」 は硬く仕上がりますので、ボロボロと崩れることはありません。漆喰の耐久性は高いですが、開閉を日常的にするドア周りや柱周りは、ヘアークラックという細いひび割れが発生する可能性はありますので、気になる方は、入隅出隅の少ない間取りで家づくりをされることが、一番です。
漆喰のメンテンスは、どのように行ったらいいですか?
ゴシゴシと水拭きはできませんが、静電気が発生しにくいのでホコリ付着による沈着した汚れはつきにくいです。簡単な汚れは、消しゴムや紙やすりで除去できます。お醤油など濃い液体がついてしまったら、漂白剤で多少薄めることができます。
漆喰をdiyで施工する場合の注意点を教えてください。
漆喰の手順は、下地の種類によって異なります。下地の状態が判断がつかないようであれば、業者に下地処理だけでも依頼することを考慮してみてください。丁寧な下地処理が成功の秘訣ですので、ご自分での施工が難しいようであればdiyサポートを業者さんに依頼することも一つの手です。
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