住宅にかかわる遮音性能について
当社商品で、お問合せが一番多いのは、
床遮音材の「わんぱく応援マット」です。
わんぱく応援マットは、マンションリフォームで主に採用を頂いている商品です。
マンションなどの集合住宅では、防音規定が定められているため、
遮音性能や施工方法についての問い合わせを多く頂きます。
床の遮音材「わんぱく応援マット」は、床の仕上げ材と組み合わせて使って頂く商品で、組合せによって遮音性能が変わります。
遮音性能とは何?どんな時に気にしたらいいの?騒音問題をなんとかしたい。
住宅にかかわる遮音性能について、まとめてみました。
▶最大L40の遮音性能を発揮する床の遮音材「わんぱく応援マット」の詳細は、こちら
目次
遮音性能を気にする現場とは?
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの山田です。
ほとんどのマンションでは通常、管理規約の中で防音規定を定めています。
一般的な住まいで多く使われている合板フローリングは、
防音規定をそもそも満たしている商品があるため、
気にしなくて良いことが多いのですが、
無垢フローリングについては防音性能が認められていません。
ちなみにマンションの1階は、防音規制の対象とならない場合が多いです。
カーペットや畳は防音性能が高いので防音規定を気にする必要がありません。
無垢フローリングを使いたいという前提であれば、
1階を選ぶというのも一つの方法ですし、
遮音にこだわりたいのであれば、カーペットのお部屋にするなど
検討して頂く必要があります。
特に集合住宅に関しては、隣や上下の住人に気を使って生活する必要があるため、
住まいの構造やプランには配慮や対策が必要なのです。
▶わんぱく応援マットは、無垢フローリングと組み合わせてLL45の遮音性能を確保できます。
遮音性能に関する音の表し方、単位
「音」は音源から発したエネルギーが空気中に振動(音波)となって伝わることです。
振動がいろいろなものを介して伝わることで、耳に届きます。 音に関する値は何種類かあり、
日本建築学会や日本工業規格JISにて基準が定められています。
音の単位
①Hz(ヘルツ)
音の波が1秒間に何回上下するかを数値にしたものを「周波数」といい、ヘルツで表します。
人間の耳に聞こえる周波数の範囲は、約20Hz~2kHzです。
周波数の少ない音は低音、多い音は高音となり、周波数が2倍となると、1オクターブ高い音になります。
男性の声の基本周波数は100Hz、女性の基本周波数は200Hzと言われています。
ラジオの時報のピッピッは440Hz、ピーンは、880Hzです。
②㏈(デシベル)
音を物理的に測る際の単位。
音波は空気に対し、微小な圧力変化を起こします。
日常会話の音は、60㏈で、自動車のクラクションは110㏈です。
日常生活における一般的な騒音レベルについては、
日本建築学会の「建築物の遮音性能基準と設計指針」などで示されています。
③透過損失(記号TL:単位dBデシベル)
遮音性能は、透過損失(壁や床などの遮音性能を表す数値)で示します。
記号はTL(Transmission Loss)で、単位は「dB」(デシベル)で表され、「音響透過損失」ともいいます。
透過損失は、壁などの材料層への入射音と、それによる材料層から中に入った音の大きさの差(音圧レベル差)のことです。値が大きいほど遮音性能が優れていることになります。
防音・遮音・吸音の違い
マンションなど集合住宅だけでなく、戸建てや店舗でも音を出す用途に使う建物や防音室がある場合、
騒音を防ぐための対策をとる必要があります。
その場合、防音材、遮音材、吸音材などを使います。
「防音」は、「遮音」と「吸音」を含む音対策の総称となります。
・遮音材
空気中や個体の中を音が伝わらないように遮断する物質、材料。
音を跳ね返すことで遮音する材料です。
マットやシート状の遮音材が販売されています。
・吸音材
音を吸収する比率が大きい物質または材料のことで、空気中の音を吸収し、反響音を軽減させたり、残響時間を調整するのに効果を発揮します。
建築の材料として天井や床、部屋の壁などに用いられることも多いです。
グラスウールやフェルト、ロックウールなどが使われています。
・防振材、制振材
防振材は、衝撃を吸収して振動を伝達しないように抑止させる材料のこと。
制振材は、揺れを抑制して共振を減少させる材料のことです。
車や洗濯機、室外機の振動を抑制するのに使われます。
防音材・遮音材の種類と違いに関しては、こちらに詳細を解説していますので、
ご参考ください。
住宅の遮音性能、遮音材の種類
住宅建物は壁、床、天井で構成されていますが、
それぞれ遮音性能の基準が規定されています。
遮音性能(壁や建物)D値・Dr値
D値(Dr値)とは、壁や建物の遮音性能を示す遮音等級のことです。
隣り合う部屋同士の遮音性能を評価するための指標として設定され、
壁から入っていく音(入射音)が、壁を通り抜けたあと(透過音)ではどれくらい小さくなるか=遮断するかを測定し、差分となるdBを指標化したものがD値(Dr値)となります。
各基準曲線が500Hzで示す音圧レベル差の数値を「D値」と呼びます。
D値は同一の遮音壁で2室間の界壁を施工した場合でも「音の廻り込み」が含まれるため、部屋の設計仕様により、異なった値となります。
D値は、JISA1419「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法」にて、1992年に規定されたものです。
Dr値は、JISA1419が2000年に改定された際に、「D値」から変更となった表記です。
D値は、数値が大きいほど遮音性能が高くなります。
静かな環境が求められる集合住宅やホテルは、高い遮音性能が求められます。
遮音性能(壁)TLD値
TLD値は壁自体の遮音性能を示すのに用いられます。
TLD値は、他に入り込む音がない音響試験室で測定されるので、
実際の空間では測定値が異なる可能性があります。
TLD値は、「D値」と同様に日本建築学会基準曲線にあてはめて求めます。
「D値」が40、45、50などの5単位で表されるのに対して、「TLD値」は41、42、43などの1単位で評価します。
ちなみに、D値はTLD値を利用して求められます。
D値(空間の遮音性能)=TLD値(壁の遮音性能)-音の回り込みその他低減値の合計
この式のように、TLD値から現場の施工状況や、部屋の設計仕様などによる「音の回り込みその他低減値の合計」を引いて計算します。
「音の回り込みその他低減値の合計」とは、実際の設計仕様や現場の施工状況のことです。
遮音性能(ドア、窓、サッシ)T値
T値は、サッシ・ドア・窓の遮音性能を示すのに用いられる日本工業規格で規定されている指標です。
T-1からT-4まで4つの等級に分類され、数値が大きいほど遮音性能が優れています。
木造住宅用のサッシは、一般的にはT-1の遮音性能にてサッシメーカーで販売されています。
高い遮音性能はアルミと樹脂を複合したサッシ(遮音性能T-2)を使用するか、二重サッシの対策が必要です。
防音ドアは、その等級に応じて構造や用途が異なります。
T-2クラスは、一般気密構造を持った防音ドアが知られています。
T-3と同じく楽器の練習室やカラオケルームで使われますが、やや遮音性能が下がるため内装用に限られるものもあります。
防音ドアは遮音等級が上がるほど緻密な構造になりますが、レベルに合わせて各等級を使い分けます。
遮音性能(床)L値
床の遮音性能の等級はL値で示します。
性能は、JIS(日本工業規格)にて等級が定められています。
床の遮音性能には、重量衝撃音(LH)と軽量衝撃音(LL)の2つの性能があります。
子供が飛び跳ねたり、走り回ったりした時に発生する衝撃音を重量衝撃音、
物が落下した時や椅子をひきずる時に発生する衝撃音を軽量衝撃音と言います。
数値が小さいほど性能が高いです。
アトピッコハウスの遮音材「わんぱく応援マット」は、LL40の遮音性の確保できます。
遮音試験結果は、以下の通りです。
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住宅における遮音性能の比較
木造住宅の遮音性能
木造住宅は鉄筋コンクリート住宅に比べ、騒音を減少させることが難しく遮音性能が低くなります。
住宅の各部位が騒音を遮断する能力を遮音性能と呼びD値(空気音の遮音を表す数値)で表しますが、
一般的な木造住宅では、壁の遮音性能はD-40(外壁)、D-30(内壁)程度、
床の床衝撃音性能はL-75(LL・Lh共)程度です。
コンクリート壁の遮音性能
鉄筋コンクリート工法なら、壁の厚さから、
壁厚120mm → D-45程度
壁厚150mm → D-50程度
壁厚200mm → D-55程度
といった見当が得られます。
鉄骨造の場合は壁の厚さでは判断しにくいので、住宅性能表示の等級が参考になります。
近隣住人のいる時間帯に現物を内覧して、直接自分の耳で遮音性をチェックするのが確実です。
コンクリート床の遮音性能
床の遮音性で特に問題になるのは床材とコンクリートスラブを振動させて伝わる音です。
スラブは厚ければ遮音性は高いと良くいわれますが一概にその通りといえません。
遮音性はスラブ厚とスラブ面積に関係しています。
スラブ厚が一緒でも、小さく分割し面積が小さいスラブのほうが、遮音性能は高いとデータででています。
スラブ厚がそこまで厚くないマンションの場合でも、小梁によってスラブが分割されているプランなどの場合は、
意外に遮音性は高いと評価できます。
床の遮音性能はリフォームの壁になる
ここまで、住宅に関する遮音性能について詳しく見ていきましたが、
ここからは住宅リフォームなどで、一番の壁となる床の遮音性能についてご紹介いたします。
遮音材を使えば、遮音性能が完璧にとれるわけではない
築年数や躯体の違い、周辺環境などにより、データ通りの結果が出るわけではありません。
フローリングの下に遮音材を張れば、
階下に音が響かないと思い込んでいる方は多いです。
しかし、今までカーペットや畳だった部屋を
フローリングに張り替えたら、以前より騒音が気になるはずです。
一番上に来るのは、フローリングです。
物を落とした時の衝撃音など表面で受け止める音は
カーペットや畳より大きくなるはずです。
床遮音材の種類
・遮音フローリング
合板フローリングの裏側にゴムが張っているものや、
間にスポンジなど挟まっていたりするものです。
フカフカした床といえば、わかる方も多いかと思います。
・遮音マット
フローリングの下に敷くマット。シート状のものもあります。
素材はゴムやフェルト、化学繊維など多岐に渡ります。
当社の「わんぱく応援マット」もこれに該当し、
ケナフとゴムの二重構造になっています。
・二重床
防振ゴム付きの支持ボルトや角材を使って下地と仕上げ材の間に
空間をつけた工法です。工事費用は高額になります。
予算があって簡単に済ませたいという方は、
遮音性能のあるフローリングを張ってしまえばいいのですが、
無垢フローリングをどうしても貼りたいという方には
遮音マットを敷きこむなど対策が必要です。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、床材との組み合わせで、遮音性能を確保する製品です。
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遮音性能はどんなテストをしているのか?
当社に関して言えば、試験場にて簡易試験をしています。
6畳ほどの実験室内に試験サンプルを置き、
重量衝撃音を出すバングマシンと軽量衝撃音を出すタッピングマシンで
試験体を叩き、下階で床衝撃音レベルを測定します。
遮音性能にはLLとLHの基準があります。
LLは軽量衝撃音(物を落とした音、椅子の移動音など)
LHは重量衝撃音(足音、飛び跳ねる音)です。
アトピッコハウスの遮音材「わんぱく応援マット」は、LL40、LH50の性能があることが証明されています。
マンションのパンフレットによってはL値としか記入されていないこともあるので、どちらを指すのかは確認が必要です。
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遮音性能は完璧でないから、ご近所づきあいが大事です
遮音材を使って施工をしたら、
遮音性能を測定しクリアしている書類を管理組合に提出はできます。
あくまでも静かな実験室で測定した数値です。
走り回る小さい子供やペットがいる環境、
趣味の楽器を鳴らす、来客が多い場所など、様々な騒音を
完璧に下の階に聞こえなくすることはできません。
どうしても騒音を出してしまう場所での生活になるならば、
階下の方と普段から良好な関係を築くことが大事です。
まとめ
住宅に関わる遮音性能についてご紹介しました。
特に、マンションでの床材リフォームは、
管理組合や周辺住戸との兼ね合いがありますから、
騒音にまつわる建物の遮音性能はシビアに確保をする必要があります。
予算や天井の高さなど色々と考慮して、
適した遮音材をお使い頂ければと思います。
遮音材を敷いたからといって、
建物の騒音を完璧に防げるわけではありません。
音を出す環境での生活を送る方は、
日頃からご近所付き合いをしっかりすることが大事です。
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よくあるご質問
遮音性能とは何ですか?
遮音性能とは、ある部屋や建物などの内部に外部からの騒音が入り込まない程度の性能のことを指します。建物や部屋の構造、使用される材料、窓やドアなどの部分の大きさや形状、施工技術などによって決まります。遮音性能が高ければ高いほど、建物に外部からの騒音が入り込みにくくなります。遮音性能の高い建物や部屋は、住環境や職場環境の改善に役立ちます。アトピッコハウスの遮音材「わんぱく応援マット」は、仕上げ材との組み合わせで遮音を確保しています。合板フローリングで、LL40、無垢フローリングとクッションフロアで、LL45の遮音性能を確保できます。
床の遮音性能の目安は?
床に衝撃が加わって発生する音を床衝撃音といい、主に2つの種類に分けられます。まずは、スプーンやおもちゃなどを落とした時に発生する、軽くて硬い感じがする「軽量床衝撃音 (LL)」と、子供が机の上から飛び降りた時などに発生するような、重くて鈍い感じの「重量床衝撃音(LH)」の2つです。新しい表記は、ΔL(デルタエル)等級ですが、L値が一般的に使われています。
床の遮音性能のランクは?
上階の床で生じる音が下の階でどの程度に聞こえるのかの基準として、決められている遮音等級をL値(エルち)、新しい表記は、ΔL等級(デルタエル)といい、音の伝わりにくさを表しています。このL値は数字が小さいほど、遮音性能がよいことを示しています。LL40と45があれば、LL40のほうが性能が高いということになります。ΔL等級の場合は、数字が大きくなるほど性能が高くなります。
床の遮音性能の計測方法は?
6畳ほどの実験室内に試験サンプルを置き、重量衝撃音を出すバングマシンと軽量衝撃音を出すタッピングマシンで試験体を叩き、下階で床衝撃音レベルを測定します。遮音性能にはLLとLHの基準があります。LLは軽量衝撃音(物を落とした音、椅子の移動音など)、LHは重量衝撃音(足音、飛び跳ねる音)です。
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