壁紙・クロスの上から珪藻土や漆喰を塗る方法とは?
「クロスの上に珪藻土や漆喰を塗りたい」
「でも、どうやって塗ったら良いの?」
そう考える人も多いと思います。
自然素材の家づくりが、今やすっかり市民権を得ています。
特に、無垢フローリングと並び自然素材の家づくりの主役となっているのが
、珪藻土や漆喰などの塗り壁です。
珪藻土や漆喰は、調湿効果があり、雰囲気あるテクスチャーなどが人気です。
そのため、注文住宅だけでなく、中古マンションや戸建てのリフォームでも
塗り壁にされる方が増えています。
リフォームの場合は既存の壁をはがすという認識だと思います。
しかし、リフォームする時に元々貼ってあった壁紙は剥がさず、貼ったままにしておいた方が良い場合も多いのをご存知でしょうか?
まず、結論からお伝えします。
・ビニールクロスは状態が良ければそのままでも塗り壁にできる
・紙クロスや布クロスは壁紙を剥がす必要がある
・元々が塗り壁や土壁なら、下地処理が必要
この記事では、壁紙の上から漆喰や珪藻土の塗り壁を塗れるのはどんな場合なのか、
具体的に見ていきましょう。
漆喰や珪藻土商品には、壁紙の上から塗れる製品と、塗れない製品化があります。
アトピッコハウスには、珪藻土塗り壁「はいから小町」と、漆喰調塗り壁「漆喰美人」というDIY可能な2種類の塗り壁があります。
漆喰か珪藻土かといった話は別のテーマとして、漆喰調の塗り壁を希望されていて、ビニールクロス等の壁紙の上から直接施工したいという場合、「漆喰美人」をご検討ください。
目次
状態が良いビニールクロスならそのまま漆喰や珪藻土にできる
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの内藤です。
自宅の壁に何が使われているかご存じですか?
本当にこだわって作っていないと意外とわからなかったり
するのではないでしょうか。
近年のビニールクロス普及率は9割と言われています。
30年前ごろには、すでにビニールクロスは一般的な建材でした。
購入した家の築年数や、元の住人の方の趣味にもよりますが、
古民家でもない限り、築20年程度の家なら、
ほとんどの住宅がビニールクロスの壁と言って間違いないと思います。
ビニールクロスかどうかの見分け方は、紙なら触った質感、
布なら織り目でわかると思うのでそれ以外ならほぼビニールクロスです。
布クロスや紙クロスははがさないと漆喰や珪藻土にできない
布クロスや紙クロスなどの場合は、クロスを一度はがす必要があります。
なぜなら、漆喰や珪藻土の塗り壁はたくさん水を使うので、紙や布は水分を吸ってしまい、安定させるのが難しいからです。
ビニールクロスであれば、大きな破れや剥がれがなければ、
水分を吸うこともないのではがす必要がないのです。
そのまま下地処理ののち、クロスの上から漆喰や珪藻土などを塗ってもOKです。
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁「漆喰美人」も、ビニールクロスの上なら直接塗れますが、紙クロス、布クロスの場合は、はがして下地処理する必要があります。
ビニールクロスであってもはがさないといけない場合がある
しかし、ビニールクロスでも漆喰や珪藻土の塗り壁にできない場合があります。
大きな破れや剥がれがなく、
シミやカビなど目立った汚れがない。
という状態であれば、大体のクロス(壁紙)の上から漆喰や珪藻土を塗れますが、
剥がれたり捲れたりしているビニールクロスにそのまま漆喰や珪藻土の
塗り壁を塗った場合、クロスと一緒に剥がれ落ちてしまう可能性がありますし、
汚れがひどいものだと、アクが出て仕上がりに影響が出てしまうからです。
ビニールクロスは狭い範囲の破れならクロスの上から塗れる!
また大きな破れがなくても、年数が経ったビニールクロスはクロスとクロスのジョイント部分(つなぎ目)がめくれかけていることがよくあります。
場合によっては、少しだけ破れてしまっているという箇所もあるかもしれません。
もし、破れが数センチのものであれば、ビニールクロスを全部剥がす必要はありません。
破れ・めくれ部分を接着剤で留め、さらに「タッカー」という建築用のホッチキスで留めて処置できる可能性があります。
またジョイント部分の小さな剥がれなら、メッシュテープを貼ったうえで、タッカー留めの処理というやり方ができます。
ただし、クロス(壁紙)の上から塗れるとは言っても、
下地処理が必須の商品がほとんどです。
それでも、ビニールクロスを剥がすという作業の大変さと比較すれば、
下地処理をするほうが負担は軽いです。
さらに、ビニールクロスの場合、クロスの上から漆喰・珪藻土を施工する事は
下記のメリットがあります。
・コストを抑える
・ニオイを抑える
・気密性が上がる
クロスの上から漆喰・珪藻土を塗るメリット
クロスの上から塗るメリット① コストを抑える
まず、既存のクロスをはがすのに手間賃がかかります。
はがした後のクロスの処分費がかかります。
クロスをはがすと表の部分はきれいに剥がれますが、
薄い裏紙が残ってしまいます。
その裏紙をそのままにしておくと起き上がってきて
仕上がりに影響が出てしまいます。
余分な部分はカットして、下塗をして、ということを
裏紙が落ち着くまで繰り返します。
この部分の手間、時間にも費用がかかります。
クロスの上から塗るメリット② ニオイを抑える
ビニールクロスは調湿性も透湿性もありません。
そのため、例えば接着剤だったり、下地のボードのニオイ
というものをビニールで押さえつけてくれています。
ビニールクロスをはがすと、封じ込められていた
ニオイが室内に流れ込んできてしまうのです。
ビニールクロスをはがさないことで、
嫌なニオイを押さえ込んだままにできるというわけですね。
クロスの上から塗るメリット③ 気密性が上がる
気密が取れていない木造住宅などでは、ビニールクロスを
はがさないことによって、防湿層の役目になります。
結露が起きやすい寒い時期、暖かい空気は
温度の低い部屋へと流れていきます。
壁の中でも同じことが起こっていて、暖かい空気は寒い外へ
向かいます。
壁の中の冷気と触れ合うことで壁の中で結露が発生してしまいます。
壁の中の話なので住んでいる人が気付かないうちに
木の柱や土台を弱らせてしまう原因となります。
ビニールクロスが貼ってあれば、防湿層の役目をして、
湿気が壁内に侵入するのを防いでくれますので、
結露リスクを減らすことが出来ます。
既存のクロスの上から漆喰や珪藻土が塗れないのはどんな場合?
次に、綺麗な状態のビニールクロス以外で漆喰や珪藻土の塗り壁にできるかどうかをまとめました。
破れがひどいビニールクロス
一度すべて剥がす必要があります。
そのままの状態で塗ってしまうと、壁紙もろとも塗り壁が落ちてきてしまったり、仕上がりが凸凹と汚くなってしまいます。
こういった場合は、壁紙を剥がしてから漆喰などの塗り壁にする必要があります。
和紙などの紙クロスや布(織物)クロス
全て剥がす必要があります。
これらは塗り壁の水分を吸ってしまうため、仕上がりの表面に影響を与えるからです。
元々も塗り壁(または砂壁)の場合
ボロボロと崩れたり割れていなければそのままでいいですが、専用の処理材を使っての下地処理が必要となる場合が多いです。崩れたり割れている場合は、一度削り落とします。
漆喰の剥がし方は専用の器具を使って削り落としていく地道な作業となります。
または、ケミカルな接着剤を使って既存の塗り壁自体を
一度固めてからの施工となります。
逆に漆喰の上から壁紙は貼れるかというと、同様に現状の漆喰を固めてからクロスを貼ることになります。
アトピッコハウスの漆喰調塗り壁「漆喰美人」も、塗り壁の上に塗る場合は、下塗革命という専用の下塗り材を塗る必要があります。もし、現状の塗り壁がボロボロしていたら、一旦はがしてから、下地処理をして、それから、漆喰美人を塗るみとになるので、DIYの難易度は、相当高くなります。
漆喰美人の詳細を確認したいという方は、こちらをご覧ください。
綺麗なビニールクロスでなければ、塗り壁はプロに頼むのがおすすめ
上でもお伝えしたように、綺麗な状態のビニールクロスならDIYで塗ることは可能です。
しかしそれ以外の壁紙は、それぞれに必要な処理が違ってくるので、
経験豊かな左官屋さんに相談するのが確実です。
砂壁、漆喰、珪藻土、布クロス、紙クロス、モルタル下地など、素人では見極めが難しいものもたくさんあります。
プロであれば、状況を見極め、どうすることが一番いいのか
長持ちする壁を作れるのか、対応をしてくれます。
今でこそ、DIYをする方も増えてきていますが、
塗り壁と言えば、左官材で左官職人しか扱えないものでした。
左官は古くから日本に伝わる伝統的な工事で、高い技術力が必要な仕事でした。
一人前になれるのには最低10年ともいわれる厳しい世界ですが、
職人さんの腕によって生み出される塗り壁の表情は唯一無二で、
芸術性が高く味わい深い仕上がりになるのが特徴です。
美しく、長持ちする壁を手に入れたいと考えたら、
是非プロの左官職人さんに仕事を依頼なさってくださいね。
クロスの上から自分で漆喰・珪藻土を塗る
自然素材の塗り壁材でもDIYできます
いえいえ、私はDIYでやってみます。
という方もいらっしゃるでしょう。
DIYブームも手伝って世の中には各社たくさんの塗り壁商品があります。
漆喰のモルモルやうまくヌレールなどが有名ですね。
塗り壁に何を求めるかによって選ぶ材料が変わってきますが、
自然素材の塗り壁が譲れないということならば、
アトピッコハウスの珪藻土「はいから小町」や漆喰調塗り壁「漆喰美人」が
お勧めです。
珪藻土塗り壁「はいから小町」の調湿性能は、241g。業界最高水準です。塗り壁にする理由が、「調湿性」ということであれば、一般的な漆喰の6倍調湿する「はいから小町」がオススメです。
また、漆喰調塗り壁「漆喰美人」は、消臭性能を高めた塗り壁です。調湿性能も、一般的な漆喰の2倍程度はありますので、調湿性能も期待したいけど、消臭性能の方が、より優先度が高いという方は、漆喰美人をご検討ください。
▶消臭性能の高い漆喰調塗り壁「漆喰美人」の詳細は、こちらをご覧ください。
自然素材の塗り壁材はフランス漆喰のレノデコ漆喰なども含め、当社商品に限らず、下地作りが必須であることがほとんどです。
状態の良いビニールクロスであれば、はがさずに塗れます。
しかし、自然素材の塗り壁材は繊細ですので、丁寧な下地作りが
必須となります。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁を、ビニールクロスに
施工する場合の手順を簡単にご紹介いたします。
濡れ雑巾でクロス表面のほこり、汚れを完全に清掃し、養生(乾燥)させる。
・継ぎ目・出角・入角は、メッシュテープを貼る。
・浮き・われの防止のためタッカーで剥がれ止めをしておく。
・継ぎ目・出角・入角にパテ処理をする。
・ハッピーシーラーの 2 倍希釈液(原液1:水1)をウールローラーで塗布し養生(乾燥)させる。
・シーラーの硬化を確認してから仕上げの塗り壁を塗る。
仕上げ材は2度塗りが基本。
一度壁面全体に塗った後に追っかけで2回目を塗ります
2日ほど乾燥させ、乾いたことが確認出来たら家具を入れてOKです。
シーラーってよく聞くけど、何?
シーラーとはクロスと塗り壁がしっかりと密着するための調整材です。
シーラーはローラーで、できるだけランダムにバシャバシャ塗ることで
ジョイント(継ぎ目)の部分をごまかし、きれいに塗ることができます。
シーラーを規則的に塗ってしまうと、塗り壁で仕上げた時にビニールクロスの継ぎ目の部分が
浮き出てしまいます。
もっとマルチな下地材もある
状態の良いビニールクロスであればご説明した手順で施工していきますが、
お勧めは下地材「下塗革命」での下地作り。
アク止め・下塗り・シーラー処理が一発で完了します。
パテ処理も同じ材料を使えるので、いっそうお手軽です。
クロスや塗り壁をはがした後や、アクの出やすい木下地、
コンクリートやモルタル下地など、ほとんどの下地に使うことができるマルチな下地材。
DIYであってもしっかり下地を作ることで
比較的きれいに仕上げることができる下地材です。
ただ、材料をかくはんする必要や、自然素材ならではの、
季節や温度、湿度に影響されやすい材料となるので、
DIYにはちょっと手ごわい商品となります。
▶アク止め効果の高い下塗り材「下塗革命」の詳細は、こちらです
もっと手軽にDIYしたい場合は
素材にこだわるとなると工程が増えるということはご理解いただけたと思いますが、
道具をそろえるのも大変だし、もっと簡単にDIYを楽しみたいという方は
ホームセンターなどで市販されているDIY用に加工されている製品を選ばれても良いと思います。
外壁のDIYは物理的性能を求められるので漆喰の下地にラス網を貼ったりと下地から仕上げまで複雑な作業になりがちですが、室内のDIYはそこまでハードルは高くありませんので、楽しみたい方はぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
壁紙やクロスの上から、珪藻土や漆喰を塗ることは可能です。
しかし、下地の状態によっては、現状のクロスを剥がさないとならない場合もありますし、補強が必要になります。
DIYの施工が難しい場合は、プロに依頼することをお勧めします。
▶珪藻土か漆喰か迷われている方は、こちらから資料をご請求ください。
よくあるご質問
クロスの上から漆喰や珪藻土を塗れるの?
剥がれたり、カビていたりということがない、状態の良いビニールクロスであれば直接塗ることができます。クロスの中でも紙クロスや布クロスは塗り壁材の水分を吸ってしまうので、一度はがさないと塗ることができません。
アトピッコハウスの塗り壁は、全て、クロスの上から塗れます。
塗り壁の上に漆喰や珪藻土を塗れるの?
こちらもボロボロしない、状態の良い塗り壁であれば、下地処理ののち塗り壁で仕上げることができます。ボロボロしているもの、触ると粉がおちてくるようなものについては、一度すべてをはがすか、接着剤などで固める必要があります。
アトピッコハウスには、アク止め効果の高い下塗り材「下塗革命」のご用意があります。
既存の壁に塗り壁を塗れないのはどんな場合?
汚れがひどい、はがれのあるビニールクロス、ボロボロする塗り壁材、布クロスや紙クロスの上には下地処理をする前にはがしてからでないと施工ができません。アトピッコハウスには、アク止め効果の高い下塗り材「下塗革命」のご用意があります。
ビニールクロスを張ったまま塗り壁にするメリットは?
ビニールクロスをはがしたり、廃棄するコストや時間を抑えられます。また、ビニールクロスで抑えられているニオイを閉じ込めたまま、外に出すことなく施工ができます。
気密が取れていない木造住宅などでは、ビニールクロスをはがさないことによって、防湿層の役目になります。
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アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。