経年変化を楽しめる自然素材
こんにちは!
無垢・漆喰・珪藻土「自然素材の内装材ブログ」を運営している
アトピッコハウス㈱、スタッフの尾崎奈苗です。
年齢を味方につけましょう
先日、フランス映画を観に行きました。
ジュリエット・ビノシュ主演の
「アクトレス」という映画です。
ジュリエット・ビノシュといえば、
ちょうど私が学生の頃に流行った
「ポン・ヌフの恋人」や「トリコロール 青の愛」に主演していて、
かわいらしくもあり、
美しくもあり、
その頃からとても好きな女優さんでした。
そんな彼女の作品を久々に観られることにワクワク。
映画の内容は省略しますが、
フランス映画独特の、あの何とも言えないアンニュイな雰囲気に
すっかり飲み込まれてしまった私です。
ひとつ思ったのは、
ポン・ヌフの時に25歳だった彼女は
今ではもう50歳ですが、
とても素敵な年の重ね方をした、ということです。
顔の皺を隠さず、
身体のたるみも隠さず、
それを全く恥じることなくスクリーンにさらけ出している姿は
本当に美しくて堂々としていて、
非常に感銘を受けました。
彼女だけでなく、
年齢を受け入れて素敵に歳を重ねている人が
海外には多いなぁと感じます。
日本の芸能人は、
少しでも皺が増えたり太ったりすると
「劣化がやばい」などとネットで叩かれます。
芸能人だって普通の人間なのですから
歳を取るのは当たり前なのに、
すぐ劣化、劣化と非難されてしまうのですから
大変な商売だなぁ、と思います。
という私も、なるべくなら歳は取りたくない、と
翌月に控える自分の誕生日に身構えてしまったり、
鏡を見ながら、ここの皺が無ければぁ…なんて思うことは
しょっちゅうなのですが。
でも、人間も含め、
自然のものは少なからず変化していきます。
それに抗うのではなく、
いかにうまくつきあっていくか、が大事だと思います。
若いころには無かった皺やシミを
欠点ではなく、
味として取り入れて、むしろチャーミングに魅せる。
なかなか難しいことですが、
それが理想の、年齢の重ね方です。
アトピッコハウス事務所の床は
80年前に建てられたときの無垢の床をそのまま使っています。
もちろん、新品のものと比べると
キズもあるし汚れもあるし、
「古いなぁ」という印象は受けます。
でも、その古さが全くマイナスイメージにならないのです。
「劣化」という言葉は全くそぐわないし、
優しく黒光りするその姿には
とてもまろやかな味わいがあります。
時代と共に、そこにあり続けていることに
感激すら覚えます。
これは、新しい新建材には絶対出すことのできない
重厚な風味であり、
自然素材を取り入れた家だけが持つ
美しい「経年変化」です。
床に限らず、
例えば壁のクロスではどうでしょう。
新建材のビニールクロスは、
ちょっとぶつけただけで破けたり、
大事に扱っていても数年たつと剥がれてきたりします。
メーカーも、
数年単位で張り替えることを前提に作っているので、
何十年も張り替えずにいると、
本当にみすぼらしくなってしまいます。
でも、すっぴんクロスは
破こうとしたとしても簡単には破けません。
もちろん年が経つにつれて日光による変色などもありますし
水拭きができないので、ついてしまったシミも多少残ります。
ただ、シミがただの汚れではなく、
経年変化による美しい味わいと感じられてしまうのは、
やっぱり自然素材ならではの特権だと思います。
住めば住むほど、味わいの出る家。
人間も、家も、
年齢に抗わず、年齢を味方につけて
いつまでも輝いていたいですね。
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